2007/06/17

世に横たわる「理不尽川」 - 平田さんガマダシましょで!! -

 この前『バッチギ』をテレビで放映していた。時代設定が拙者の高校時代と同じか、少し前くらいかだったので、ついつい引き込まれてしまった。

 ヒロインの在日朝鮮人高校生役の沢尻エリカがとっても可愛かったが、何より笑ったのは、長崎から修学旅行で京都にやって来た田舎のツッパリ高校生が吐いた捨てゼリフ。

 (京の土産物を値踏みするように)「こげんモンはつまらん。長崎のカステラん足元にも及ばんばい」。そこまでは良かったが、何かのトラブルで、朝鮮高校生の集団からコテンパンに叩きのめされてしまう。

 その映画の中で唄われていたのが「イムジン河」。昭和40年代に「フォーク・クルセダーズ」が流行らせた反戦歌だ。拙者のクラスメートもよくその歌を唄っていたので、懐かしさの余り落涙してしまった。

 《イムジン河 水清く 滔々と流る。水鳥自由に 群がり 飛び交うよ。我が祖国 南の地。想いは遥か。イムジン河 水清く滔々と流る》

 ところで、南北朝鮮を隔てているのが「イムジン河」ということだが、そうした政治的な話は抜きにして、世間には何とも形容し難い不可思議な川が横たわっている。名付けて「理不尽川」。

 そこで被害に遭った一人がガレージ食堂(今川町)のご主人、平田正剛さん。「平成4年6月23日の出来事」というから、もう15年も前の話だ。

 その日、平田さんは島原警察署から出前の注文を受けた。焼肉定食とチャン定食と…。お昼の時間帯が迫って気が急いていたこともあったが、当時は火山灰が路面を覆っていて車輪も滑りやすかった。

 「あと何分」「あと何軒」-。巧みなハンドル捌きでスイスイと出前をこなしている平田さんの目の前に突然、大型の10トントラックが立ちふさがった。

 気付いた時はガレージの中ではなく、温泉病院のベッド上。交通課注文の出前を運んでいたのに、事故を起こしたことで、松葉杖で事情聴取を受け、さらには〃免停〃の処分。

 まさにこれぞ「理不尽川」。平田さんは当時の出前を頼んだ人の名前を今でも覚えている。ただし、決して恨んだりはしていないので、警察関係の方々にはくれぐれも〃誤解〃のないように!!

 それでも平田さん、モノは考えようですよ。「理不尽川」で良かったではないですか。「三途の川」だったら、愛妻も可愛い子どもたちも泣いて悲しんだはずですよ。

 実は平田さんと拙者は昭和30年生まれの同い年である。頭は向こうのほうが白いが、体型のほうは拙者の方が年配者のそれに近い。お互い幼い子を抱えてまだまだ老け込むわけにはいきませんよね。

 《花も嵐も踏み越えて行くが男の生きる道》これって京都の歌だったけ?