2007/06/23

〃不都合な真実〃次々と - 構図的には「羊頭狗肉」だが… -

 北海道苫小牧市の食肉加工業「ミートホープ」の〃牛肉偽装〃事件の報道に触れた時、すぐに「羊頭狗肉」(ようとうくにく)という言葉が思い浮かんだ。 

 学研の『故事ことわざ辞典』によれば、「狗肉」は犬の肉。「羊頭を懸けて狗肉を売る」の略で、羊の頭を店先につるし、羊の肉を売ると見せかけて、実は犬の肉を売ること」とある。

 類句に「看板に偽りあり」。英語の諺では、「ワインだと叫んで酢を売る」という使い方をするそうだ。

 今回は「牛肉」との表示で「豚肉」を売っていたわけだから、「牛頭豚肉」とでも呼ぶべきだろうが、一部テレビ報道によると、ウサギの肉も混じっていたというから、いやはや何とも形容し難い構図だ。

 事件発覚直後の報道では、生協で発売されていた冷凍の「牛肉コロッケ」が問題の商品だった。曰く「牛肉に見せかけるため、豚肉に血を混ぜて赤みを付けていた」云々。

 生協と言えば、無農薬、低農薬の野菜に代表されるように〃食の安全性〃が最大の売りだったはずなのに、MH社はその金看板にも大きく泥をぬったことにもなる。

 拙者がまず気になったのは、コロッケが「北海道加ト吉」社の製品だったこと。その後の調べで、問題のミンチ肉の搬出先は、全16社で総量は140トンにも及ぶことが判明したが、個人的には「加ト吉」に引っかかった。

 同社は香川県観音寺市に本社を置く冷凍食品の中堅メーカーの一つだが、つい最近、不適切な経理処理問題が顕在化したばかりで、「またか!?」とガッカリしていたところだった。

 というのも、旅行会社勤務時代に、四国の市議会議長会主催の「欧州視察ツアー」を受注し、その参加メンバーの一人に加ト吉関係者(仮にKさん)がいて、随分と可愛がっていただいていたからだ。

 パリの日本料理でのこと。件のKさんは夕食に出された天ぷらをしげしげと見つめながら、エビの尻尾をつまみ上げた。「ここに白い線が2本入っとるやろ。養殖の証拠や」。

 その時以来というか、いまだに〃真偽〃のほどは分からないのだが、「さすがはプロ!!お見立てが違いますな」と、一生懸命ヨイショしたことを憶えている。

 だが、そのKさんは洋食のマナーについては全くわきまえていなかったようで、ワインの前にミルクを所望するなどして、彼の地のソムリエをびっくりさせていた。

 本題に戻る。今の世の中は〃不正〃というか、当事者にとって〃不都合な真実〃が次々と暴かれていっているようだ。

 「不二家」の不祥事はまだ記憶に新しいが、先般、上京の折に訪ねた数寄屋橋店は客で溢れており、思わず「ペコちゃん」の頭を撫ぜてしまった。

 皆さん、公私にわたって〃不都合な真実〃はありませんか?