濡れ手に粟の逆を行く - 銚子電鉄を支えた情熱とIT -
緊急の用件が生じて福岡に行かねばならなくなった(25日夕)。生憎、船便の都合も悪かったので、仕方なく愛車を駆った。
久しぶりに走った。諫早ICから鳥栖JCまで〃他車に抜かれる〃こと皆無。妙な所で〃記者魂〃を発揮する格好に。
恥ずかしながら、極度の方向音痴である。ただ最近は「カーナビ」という新手の機器が登場したお陰で、迷うことなく目的地に到達できるようになった。
帰路も高速をガンガンすっ飛ばして来た。何とか今日の紙面に間に合うかも知れないと、いま必死でパソコンに向かっている。はて、何を書こうか?
そう言えば、今朝のNHKニュースで、地方公共交通機関の奮闘ぶりを放映していた。紹介されていたのは、滋賀県米原市の乗り合いタクシーと三重県四日市市の乗り合いバス。
ご多分にもれず、両市にある会社とも、マイカーの普及や急激な過疎化&高齢化の波に押されて、厳しい経営状況だという。
そうした中で選択された手法は「利用者本位」の発想。徹底的にムダを省き、「利用する側の視点」から生まれたのが「乗り合い方式」だった。
ちょっと待てよ!!その方法は前に聞いたことがあるぞ。そうだ!!何カ月か前に訪れた「葉っぱビジネスの山村」(徳島県上勝町・人口二千人)ですでに実践されていたではないか。
現在、好景気が実感できるのは東京と、トヨタのお膝元の愛知県くらいだと言われている。とすれば、その他の地方都市はいずれも同じような悩みを抱えているはずだ。
社会構造の変化は避けようもない〃現実〃だ。ならば、それに見合った、生き抜いていくための〃知恵〃が求められるわけだ。なるほど、そうか…。
てなことを考えながら運転してきたのだが、頑張っている地方公共交通機関の代表格は、何と言っても千葉県の「銚子電鉄」だろう。
先日もフジテレビの番組で特集を組んでいたが、総延長6.5キロ、従業員25名の、この小さな会社の経営難を救ったのはナント「ぬれ煎餅」と「IT」だった。
何より感動したのは会社と地域の〃一体感〃。そこにベースがあって「ぬれ煎餅」というアイデアが生まれ、「IT」がそれを全国に運んだ。
つい最近まで、同社は車両の整備費(250万円)も払えないくらい、経営危機に瀕していた。その状況を打破したのがインターネット上のホームページだったのだ。
再建の中心人物がしみじみと語っていた。「存続の危機を訴えたホームページに、全国から煎餅の注文が殺到しました。デジタル(IT)の向こう側にアナログな人々の温かみをしっかりと感じました」。
「濡れ手に粟」の逆を行く地道な努力に拍手。シマテツも頑張れ!!
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