2007/06/28

勘違いアラカルト - 面白いと思えば、面白い!! -

 「面白き こともなき世ば 面白く 住みなすものは 心なりけり」と詠んだのは、確か幕末の志士、高杉晋作だった。

 ネタ詰まりの今日は「勘違い特集」を送る。高杉先生の教えのごとく、「世の中は、面白いと思えば、面白いもの」なのですよ。

 【その1】普賢岳災害の頃、西日本新聞支局に分厚い牛乳ビンの底のようなメガネをかけた新人記者がやって来た。仮にその名をN君としよう。

 N君は京都大学を卒業したエリート記者の卵だったが、決して偉ぶったところがなく、記者クラブ仲間の〃アイドル的存在〃でもあった。

 ある年の暮れ、海望荘で忘年会をしよう、ということになって30人近くが集まった。一通り宴も終盤にさしかかった頃、N君は自席に戻り、刺身皿を前に何やらゴソゴソ。

 その箸の先には、ワサビをたっぷりと付けた白身魚のようなものに、ワカメが几帳面に巻き付けてあった。しきりと口を動かすN君。と、その表情が次第に硬直化していった。

 それもそのはず。N君が「ヒラメ」と思い込んで食していたのは、中敷のウレタンマットの切れ端だったのである。

 【その2】似たような経験が拙者にもある。先月、CATV業界の会議で出かけた佐賀県伊万里市でのこと。懇親会の食卓には地元でとれた海の幸、山の幸が所狭しと並んでいた。

 ミニスカートのコンパニオンから勧められるままにビールをあおっていたのだが、そのうちに小腹が空いて、鉢盛りの〃白い物体〃に箸を伸ばした。

 伊万里と言えば、呼子が近い。呼子と言えば、イカ。拙者はN君よろしく、ワサビに刺身醤油をたっぷり垂らして口に運んだ。瞬間「違う」と感じた。大根の薄造りであった。

 【その3】昨夜聞いた、島原郵便局長の小谷学さんの話も面白かった。小谷さんは明るい性格で、誰彼となく声を掛けることをモットーとしている。

 車で市内を巡回する時も、郵便配達のバイクを見かけたら「事故するなよ」「配達先を間違えるなよ」などと手を振って職員の注意を促す。

 最近は中元シーズンを控えて、「ゆうパック」のワゴン型車両がよく走っている。ある時、赤い車体を見かけたので、親しみを込めて激励したら、ナントその車の主はコカ・コーラだった、と。

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 この手の話は罪がなくて良い。と言うより大好きだ。まず「責任(感)」が存在しない。突っ込まれたら「電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも、みんな私のせいなのよ」ですべて片付く。

 「勘違い」ついでにもう一つ。最近は釣銭をくれる時に、可愛らしい女の子(店員さん)が両手で包み込むようにしてくれる。あれって商売だろうーな、やっぱり…。