2007/07/01

さよならコンゲツバラ - 妊婦の気持ちが良く分かる!? -

 「そんコンゲツバラだけはどがんかせんね。そんまましとけば病気になるよ」。母が感に堪えないといった表情で、拙者の腹回りに鋭い視線を突き刺す。

 「お言葉ですけど、お母様。一番何とかしたいと願っているのは、この私なんですよ。何とかならないから、困っているじゃないですか!!」。

 母の言う「コンゲツバラ」とは、妊婦における「臨月状態」を指す。抑えても、抑えても泉のように湧き上がってくる〃食欲〃。昨夜もさんざん飲み回った挙句に、帰宅後〃カレー2杯〃を平らげた。

 テレビの深夜番組を見ていると、元米軍人ご推奨の「ブートキャンプ」に、ベルトを巻いて低周波振動を伝える「アルブレックス」。さらには「栄養補助食品」のようなものまで、まさに〃百花繚乱〃の世界だ。

 理由は良く分からないが、ここ半年ほどで急速に肥り出した。ベルトの穴はもう余っていない。「腹回りが85センチ以上あれば、メタボリック症候群の恐れあり」と脅されるが、もうそんなレベルではない。

 ところが、これと言って身体はしんどくない。血糖値も、尿酸値も、血中コレステロールもまだまだ〃安全圏内〃。強いて言えば、最低血圧が少し高いくらい。もっとも、半年以上も前の検診結果だが…。

 デブになって一番困ることは、容易に想像されることだが、服が合わなくなること。この前の葬儀では、夏用の礼服のズボンが入らず、黒ネクタイだけで失礼させていただいた。

 夏場は暑苦しいのでよほどのフォーマルな席以外はTシャツやポロシャツで通させていただいているが、裾の部分をズボンに押し込むか、前に垂らすかで悩んでいる。

 会社の若い連中に言わせれば、Tシャツをズボンの中に入れるのはオジさんスタイル。でも、垂らしていると、何となくダラしない感じがするしなあ…。

 これまで何十回も減量に挑戦しては挫折した。高価な栄養補助食品も買い求めた。結局、ウオーキングも長続きしなかった。

 先日の出来事。ダイエーの3階フロアで「ブルブル器具」を付けて試していたら、そこに置いていたはずの車のカギと携帯電話が忽然と姿を消していた。

 正しくは〃忘れ物〃だと思った親切な方が、わざわざサービスカウンターまで届け下さっていただけの話だったが、正直ちょっぴり焦った。

 さて、今日で月が変わる。いよいよ文月、7月だ。日を追うごとに温度計の目盛も上昇していくことだろうが、体重計の目盛は必ず下げてやる。今度は絶対に諦めない!!

 一方で、デブになって分かったこともある。「靴下を履くとき時や足の爪を切るときに困るんですよね」。予定日を一日過ぎた妊婦さんが相槌を求めてきた。これって、お互い〃産みの苦しみ〃の一種!?