〃ネオおっさん〃誕生 - 無理をせずに身の丈に生きる -
「(株)プレナス」(佐世保市)は今や長崎県どころか、九州を代表する優良企業に成長した。そう、あの「ほっかほっか亭」の運営会社だ。
拙者も時折、新町の「島原中央店」(萩原ミート)を利用しているが、先日、何げなく待合所のフリーペーパーを手にしたら、これがすこぶる面白い。
本のタイトルは『ザッツ・エンター・オベント!ホッとタイムス』。7・8月号の巻頭特集は〃ネオおっさん〃。編集者によると、〃ちょい不良(ワル)〃の次のトレンドだそうだ。
〃ネオ〃の特徴は、【1】ジム通いで体型がスマート【2】オヤジギャグを連発せず会話がスマート【3】若者に迎合せず年齢相応に対応する-などといったもの。
記事では、色々とゴタクが並べられているが、要するに、「身の丈に生きる」という生活スタイルのことだろう。
「身の丈」と言えば、中学生の頃に流行った〃ラッパズボン〃のことを思い出す。少し突っ張った生徒なら、例外なくそれを穿いてイキがっていた。
テレビでは「ピンキー&キラーズ」の今陽子が同系のパンタロンをまとって『恋の季節』を歌っていた。記憶が定かでないが、ツイギーのミニスカートはその少し前だったか、後だったか…。
似合う、似合わないは別として、自分も穿いてみたい、と思うようになった。人情である。
しかし、「あんなのは不良が穿くものだ」と言って家では買ってくれない。そうこうするうちにイトコの〃お古〃が回ってきた。夢にまでみた〃ラッパズボン〃。
「やったー!!」。小躍りして脚を通したが、裾が広がっていく肝心な部分から先がどうしても余る。結局、裾直しをすると、普通のストレートズボンに…。
〈まだ若い〉〈成長の余地を残している〉一縷の望みを託して、自転車のサドルを上げ、牛乳をガブ飲みしながら、脚部が伸びるのをひたすら待ち続けた。
が、そんな〃努力〃もすべて〃徒労〃に終わった。その冷徹な現実は、その後の拙者の人生を大きく狂わせるはめに。
昭和30年代と言えば、日活映画の全盛時代。とりわけスターだった石原裕次郎のキャッチフレーズは「股下90センチ」。
ところが、世代とともに日本人の体型も段々と欧米化し、裕次郎より背が低いはずの山田優(モデル)のそれはゆうに90センチを超えている、という。
ついこの間までは、昔のくせで自転車のサドルを高くしていたが、この春里帰りした義妹がその恰好を見かねたのか、「お兄さん、余り無理しない方がいいよ…」とポツリ。
訝るまもなく、素直にその忠告に従ったら、実に快適だ。やはり「身の丈」は楽。期せずして〃ネオおっさん〃が誕生した瞬間だった。
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