僕の志望は〃親孝行〃 - 梅雨シーズンに「雨」を考える -
いかに梅雨とはいえ、こうも雨が続くと、いい加減気分が滅入ってしまう。予報では明日も雨模様だ。
「雨 雨 ふれ ふれ 母さんが 蛇の目でお迎え うれしいな ピチピチ チャプチャプ ランランラン」。北原白秋作詞、中山晋平作曲の童謡『あめふり』の一番だが、「雨」は歌謡曲の世界でも随分と活躍している - 。
八代亜紀が「雨雨ふれふれ もっとふれ 私のいい人 つれて来い」(阿久悠作詞、浜圭介作曲『雨の慕情』)と熱唱すれば、三善英史は中性的な歌声で「雨に濡れながら たたずむ女がいる」(千家和也作詞、浜圭介、『雨』)、と切ない〃女心〃を唄う。
そして、ご当地では内山田洋とクールファイブのボーカル、前川清が「長崎は今日も雨だった」(永田貴子作詞、彩木雅夫作曲)、とビブラートを利かせた歌声で大ヒットを飛ばした。
外国の曲事情についてはまったく不案内だが、『雨に唄えば』(シンギング イン ザ レイン)の名前くらいは知っている。
少しじっくり考えれば、もっと次から次へと「名前」や「歌詞」が出てくるはずだが、きりがないのでここらで止める。
それにしても「雨」はなぜそこまで詩情を駆り立てるのか。やはりいつの世も人々の心は渇いているのだろうか。
そんな他愛もないことを、窓越しの雨を見ながら考えていたら、急速に雨脚が強まってきた。まさに土砂降り。
そうだ、思い出したぞ!!確か、英語の慣用句では「イツ イズ レイニング キャッツ アンド ドッグ」と言っていた。英語の先生が嘘を教えていなければ、きっとそうだ。
「地獄の沙汰も金次第」という諺は「マネー メイクス メア ゴー」と訳したはずだ。メアとは「成熟した雌ロバ」(駄馬)のことで、直訳すれば「金の力は駄馬をも動かす」から来ているのだろう。
拙者の場合、こういうのはすべて〃受験英語〃の遺産である。何も30年以上も経って、憶えている必要もあるまいに、意外と性格的には〃粘着〃タイプなのかもしれない。
思い出しついでに、この前、ミネ化粧品店の講演会があった際、同社の峯潔社長が「キューカムバー」(きゅうり)の話をされたが、英語の喩えでは、きゅうりは〃鼻持ちならない〃といった場合に使われていたのではなかったか!?
さて、我が家には二人の受験生を抱えている。ともに成績は芳しくない。拙者は〃家人の遺伝〃だととっくに諦めているが、一応〃親心〃のようなものだけは持っている。
一昨日だったか、三男坊(中3)と話をする機会があって、志望校を尋ねたら、ニヤリと笑って「お父さん、僕の志望は〃親孝行〃ですよ」との答え。
予期せぬ返答に、うれし涙が「豪雨」のように流れ出たのであった。
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