2007/09/01

仕事が辛いのは昔から - 何事も大切なのは「根」の部分 -

 良樹細根。イエローハット創始者の鍵山秀三郎さんが監修している『てんびんの詩』の日めくりにある言葉の一つだ。

 解説欄には、こう記してある。「根深ければ、葉繁し - 。樹は、広く深く細かく根を張っていなければ、大樹は育たない。何事を始めるにも、根が先で、葉は後」と。

 確かにその通りで、草花の栽培においても、また人間の世界においても、基本となる「根」の部分がしっかりしていなければ、長続きはしない。

 今日はその「根」の話だが、日経アソシエの9月4日号に、ジャーナリストの蟹瀬誠一さんが『ニュースの裏を読む』と題して短いコラムを寄せている。

 「『間』の分からない人に成功は望めない-ビジネスと落語の共通点 - 」との副題で、「落語的発想を取り入れることで、仕事の知識を深め、チームワークも向上する」…云々と論じている。

 その一節に、落語家の三遊亭楽春師匠の言葉が引用されている - 。

 「例えば、落語の演題のことをネタというが、楽屋では『根多』と書く。なぜなら多くの演題を知り、広く深く芸の根を張らなければ成功できない仕事だからだ」。

 さらに「ビジネスに置き換えればネタは仕事の人脈であり、ネタが仕事の知識の深さ、そしてお客様からの信頼感へと繋がるのである」と続く。

 同師匠は、IT業界を代表する大企業の一つである「富士通」などで、そうした持論を積極的に展開している、という。

 一方のテーマである「間」については、「自分と客との『物理的な距離』でなく『心理的な間合い』である」と説く。

 個人的には、つい先般「間抜け」の話を書いたばかりだったので、いたく「シンクロニシティ」を感じていたら、本日届いた私信には相も変わらず「眞抜け」の宛名。ガックリきた。

 話は前後するが、蟹瀬さんは、AP通信やTIME誌の特派員などをしていた〃国際派〃であるから、「ビジネス」の語源についても一くさり - 。

 「英語でその意味は『苦労・孤独』。フランス語のトラバーユも、元をたどればラテン語の『拷問』。つまり、仕事が辛いのは、今も昔も変わらない」と述べている。

 さーて今日(土曜日)も、その辛い「仕事」の日だが、一服の合間に花壇を見ると、綺麗な花や青々とした葉っぱを支えているのは、鷲の爪のような逞しい「根っこ」であった。

 花が落ちないように、葉っぱを傷つけないようにそっと水を掛けていたら、コオロギが数匹驚いて飛び出してきた。

 小さな秋の訪れを感じるとともに、以前NTT島原営業所の所長をしていた「興梠さん」のことを想い出した。確か、そのルーツ(根っこ)は宮崎県の高千穂だと言っていた。