緊急速報にも対応可!! - 地震で実証されたラジオの力 -
新潟へ行って来た。初めて訪れた長岡市は、文字通り同県の中央部「中越地区」にあり、平成16年10月の「中越地震」で手痛い打撃を受けた典型的な地方都市である。
平成の大合併で田中角栄元総理生誕の地、西山町や山古志村など周辺市町村を吸収。人口規模はそれまでの20万人から30万人に膨らんだ。
「FMながおか」は駅から徒歩3分ほどのオフィスビルの1階にあった。応対してくれたのは、代表取締役専務の脇屋雄介さん。
元々はNTT勤務の技術屋さんだが、その枠に収まりきれずに「自動車電話」の会社を興した起業家の顔も持つ。
今回の「中越沖地震」で最も被害が大きかったのは隣接する柏崎市内だったが、市境に近い自宅は全壊した、という。
約3時間にわたってこれまでの苦労話や地震災害時の対応を説明していただいたのだが、その印象は一言でいって「自信満々」である。
背景には、長岡市や地元消防機関との友好な関係に裏打ちされた「安心感」もあるのだろうが、何よりも2度にわたる地震災害で見せたコミュニティFM局(CFM)の「底力」に他ならない。
「災害で力を発揮したのは我々が一番でしょうね。ケーブルテレビも活躍しました。こう言っては何ですが、県域のFM局やテレビ局の報道は市民から評価を得ていません。アンケートの調査結果に、はっきりと出ています」。
まさに「我が意を得たり!!」との思いでいたら、やにわに立ち上がって今年10月1日から始まる「緊急地震速報」のシステムを見せてくれた。
気象庁からの情報提供を受け、一定規模の地震が発生すれば自動的に「一斉割り込み放送」ができるスグレモノで、全て自前で組み立てた、という。
市役所内に置かれている「緊急放送卓」も見せてもらったが、拍子抜けするほど簡易な設備だった。
「これで大丈夫なんですか?」と素朴な疑問をぶつけたら、「物事は突き詰めると『単純』に行きつきます」と、これまた自信満々。
度重なる地震災害で「ラジオの威力」を確認した長岡市では、全戸に専用端末器(ラジオ)を配備するべく準備を進めている、という。
「FMとおかまち」は長岡の中心部から車で約1時間。妹の友人で、リビア帰りの1級建築士(女性)が案内してくれた。
事務所(兼スタジオ)は「道の駅」の建物内にあった。説明してくれたのは、電気会社を経営している放送局長の村尾隆さん。
資本金の5千万円は「地震に負けてはおられない!!」と地元JCの有志約80人が中心になってかき集めたもの。
「ラジオは凄いよ。単純にして、最も頼りになるメディアだよ!!」。こちらも自信満々だった。
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