吉永小百合さん来島!? - いつも励まされるその歌声 -
秋風が吹き始めた。夏の間じゅう道行く人々を楽しませてくれた日々草もいよいよ寿命のようだ。
少し遅れて植えたポーチュラカはまだまだ元気で、色とりどりの花を咲かせている。出入りする客は多士済々。蝶々、ミツバチ、コオロギ、テントウムシ、果てはヤモリまで。
先日、事のついでに『最新版・歌の大辞典』(別冊JUNON)という分厚い本を買った。収録総数二千七十八曲。
「可愛いつぼみが花になり、花は散っても実はのこる、その実がこぼれて花となる。はじめひとつの花の実が、いつかは大きな花園に…♪」。
ポーチュラカに水をやりながら、いつしか口ずさんでいたのは、昔の流行歌だった。この歌は西沢爽作詞、吉田正作曲で、三田明&吉永小百合のコンビでヒットした。
早速、ページをめくってみたが、掲載がない。何とかタイトルを想い出そうと続け様に唄った。
「くらしの中に根をはろう、あなたもわたしもみんなみな、明日は咲こう花咲こう…♪」。そうだ、この最後の部分が曲名だったはず。ネットで調べたら大当たり!!
昭和30年代から40年代にかけての「高度経済成長期」を象徴するかのような明るいテンポ。その吉永さんが先日、島原入りしたという話を〃小耳〃に挟んだ。
実は昨日(7日)聞いた話だが、映画化が持ち上がっている中町の宮崎和子さん(故宮崎康平夫人)のもとに、挨拶に訪れたというのだ。
「いつ?」。大魚を逃した漁師のような気分で確認したら、どうも出張で新潟に飛んでいた間の出来事らしいことが分かった。
吉永さんのデュエット曲で想い出されるのは、橋幸夫と唄って昭和37年の第4回レコード大賞を受賞した『いつでも夢を』(佐伯孝夫作詞、吉田正作曲)という作品だ。
「♪星よりひそかに、雨よりやさしく、あの娘はいつも歌っている。声がきこえる、淋しい胸に、涙に濡れたこの胸に、言っているいる、お持ちなさいよ、いつでも夢を…♪」。
うーん、これもいい。冬になれば、和田弘&マヒナスターズと唄った『寒い朝』が待っている。吉永さんの歌声は不思議と人々を勇気づけてくれる。
むかーし、フジテレビが、東京女子医大病院などがある新宿・河田町にあった頃、そのすぐ近くに北海道出身のギターの名手が住んでいた。
カラオケなんかまだカケラも存在しない時代だ。地方出の我々モテない面々は、夜な夜なそいつの下宿に集まっては、寂しさを合唱で紛らわしていた。
用意した歌本は千曲入り。「全部唄うぞ!!」「メンドクサイからア行から!!」 - 。夢はそれぞれに持っていたのだが、誰かに花が咲いた話はとんと聞こえてこない。
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