2007/09/18

天皇陛下がお代わり? - 土地の「名物」は食わんば!! -

 「大内宿」は南会津地方(下郷町)にある。とは言っても、福島県自体、東北新幹線で通過したぐらいしか経験がないので、まったくもって〃土地勘〃が湧かない。

 長岡藩と会津藩の関係についても、これまた未知の分野で、筆の進めようがないのだが、長岡新聞が敢えてコラムに取り上げているくらいだから相応の縁があるのだろう。

 そうした歴史的な経緯に関しては、野村義文さん(元島原市収入役)にお任せするとして、「ネギ蕎麦」とは一体何ぞや?

 長岡新聞によれば、薬味としてネギをふんだんにかける通常の食べ方ではなく、箸の代わりに〃太ネギ一本〃で蕎麦を食するのだという。そして、事のついでにネギをガブリと齧るのだと…。

 コラムの筆者は、下野(しもつけ)街道沿いに突如姿を現す萱葺き屋根の建物群の魅力と併せて、「その野趣が何ともいえず、醍醐味である」と激賞している。

 ところで、「蕎麦」の話だが、拙者が訪れた十日町市の「小嶋屋本店」の「へぎ蕎麦」も実に美味であった。「へぎ」とは養蚕で使う木箱のことで、同店では絹糸を並べるような趣向で、盛り付けをしていた。

 色は「布のり」が入っているため、やや緑がかっており〃涼感〃抜群。今の天皇陛下が皇太子時代に食されて、余りに美味しかったので〃お代わり〃を所望された、とのエピソードも伝えられている。

 地下足袋の民俗学者、宮本常一が大正12年、生まれ故郷の周防大島を出る際に、父親から教わった「旅の心得」(十カ条)がある。その第三条にはこう記されている - 。

 「金があったら、その土地の名物や料理はたべておくのがよい。その土地の暮らしの高さがわかるものだ」。

 続く第四条では「時間のゆとりがあったらできるだけ歩いて見ることだ。いろいろのことを教えられる」と綴られている。

 何とはなしに耳にこびりついている教えなので、拙者も出張の旅先では出来るだけ「早朝散歩」を心がけている。天気が良ければ、朝の散策ほど気持ちの良いものはない。

 厚化粧を落とした素顔の街がそこにある。長岡は河合継之助、小林虎三郎、山本五十六などを輩出した歴史的な土地柄だが、商店街には再来年のNHK大河ドラマ『天地人』に登場する直江兼続の立看板が早々と取り付けられていた。

 その商店街を通り抜け、信濃川にかかる大橋を往復した。片道千二百四十歩。歩幅約80センチとして、当然1キロはあるものと想像していたが、九百メートルを若干切れていた。

 旅先で心は浮かれても、脚の長さは変わらないことだけは良く分かった。