いつの間に曼珠沙華 - 強くてやさしい「信の国」を!! -
「♪赤い花なら まんじゅしゃげ オランダ屋敷に雨が降る 濡れて泣いてる じゃがたらお春 未練な出船の あゝ鐘が鳴る ララ鐘が鳴る♪」(昭和14年、長崎物語)
数日前には影も形も見えなかった曼珠沙華(彼岸花)が突如、ツツジの植栽から現れたので驚いた。誰に教わったのでもないだろうに、ちゃんと彼岸に合わせて咲き始めるなんて、何て律儀な花だろう。
中学の頃、長崎市生まれの社会科の先生が黒板に「曼珠沙華」と書いた。「何と読むか?」との問い掛けに、手を挙げてあてずっぽで読んだら、「正解!!」だったことを、今更ながらに憶えている。
今日(20日)はCATV業界の集まりで諫早に来ているが、有喜の交差点から諫早の市街地を目指して車を走らせている途中で、田んぼの畦道に咲き誇る曼珠沙華の群落を見た。
頭(こうべ)を垂れる黄金の稲穂との見事なコントラスト。この季節、多くのアマチュア写真家が「秋」をテーマとした被写体に選ぶのも、何となく分かるような気がする。
聞きかじりだが、曼珠沙華の匂いはモグラが嫌うということで昔から畦道に植えられていた、とか。また、人間の膝の痛みを和らげる薬効があるとも。
異常なまでの成長の早さ、加えて曼荼羅世界にも通じる複雑怪奇な花の形状…。いずれにしても不思議なパワーを感じさせてくれる植物である。
さて20日は安倍総理の53歳の誕生日だ。その政権が発足したのは、確か翌日の21日だったから、ちょうど丸1年だ。
去年の今頃は「戦後生まれ初」の総理の誕生に、多くの国民が期待を膨らませていた。拙者も人後に落ちないミーハーであるから、加津佐町津波見の海岸に鎮座している「岸岩」をわざわざ見物に出かけた。
同総理が目指したものは「美しい国」であった。が、残念ながら、その志は途中で雲散霧消したかのように見える。
評論家諸氏が言うように、「美しい」とは余りにも抽象的過ぎて、政権そのものというより総理自身が、進むべき指標を見誤ったのかも知れない。
しかし、反論するようだが、ニッポンはそもそも「美しい国」なのである。惜しむらくは、国、地方ともに、もう少し「タフネスぶり」を発揮しなければいけない、と思う。
フィリプ・マーローの言葉をもじれば、「国家(地域)は強くなければ生き延びていけない、やさしく(美しく)なければその存続価値はない」といったところだろうか。
現在、自民党総裁選レースが福田、麻生の両氏で戦われているが、巷間の予想では、前者が圧倒的に優勢のようだ。
その福田さんが標榜しているのは「信の国」。外れるかもしれないが、今度もまた期待しよう。
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