「田毎の月」とは一体? - 月見と共に地球環境対策も -
昨夜が「仲秋の名月」だったことを今朝になって知った。アレコレ言いながら、何と風情のない日本人だろう…。
「季節のない街に生まれ/風のない丘に育ち/夢のない家を出て/愛のない人に会う♪」 - 。
『春夏秋冬』。噴火災害時に島原市の「観光特命大使」を務めていた泉谷しげるさんの代表作だ。殺伐とした時代をえぐる、何と示唆に富んだ内容か。
昨日は多忙で夜遅くまで車で走り回っていた。フロントガラス越しに眺める月は、老眼&乱視のせいか決して「まん丸」には見えなかったが、暦で確認したら、確かに「満月」。
常に「太陽」と比較される「月」。前者が文字通り日の当たる「陽」とされるのに対し、「陰」と称される控えめな存在。
数字的にはONとも遜色のない記録を残しながらも、所属球団の人気のなさゆえに「俺は野に咲く月見草…」と野村克也捕手(南海)は嘆いて見せた。
一方で、月は「母性」の象徴でもある。やわらかな光は、傷ついた心を優しく包みこみ、人々の詩情を微妙にくすぐる。
ちょうど1年前に主婦の友社から出版された『人生を癒す月の力』( - すべての魂は幸運へと続いている - )という本がある。
いわゆる「ヒーリング本」の一種だが、元はドイツ月研究会から出たもので、各国でベストセラーになった、という触れ込みが帯で踊っている。
何となくその世界に引き込まれそうなので「積読」状態が続いているのだが、そろそろこの機会にページを開いてみようか。
そう言えば、「田毎の月」というのがあって、それが一体どういう景色なのかについて、朝日新聞社のIさんと酒席で論じ合ったことを思い出した。
二人とも典型的な文型人間。光学的な分析など土台無理な話だった。いいかげん酔いも回ってきたので「歩きながら棚田の風景を詠んだもの」ということで落ち着いたが、未だに真相は〃闇夜〃のままだ。
さて、福田内閣がいよいよ発足する。原稿を書きながら朝のNHKニュースを見ていたら、「葉っぱビジネス」で有名になった徳島県上勝町の横石知二さん(いろどり代表)がインタビューに答えていた。
その上勝町には「月ケ谷温泉」という宿泊施設がある。徹底した「月」へのこだわりと、環境対策は驚くばかりだ。
そこでは、温泉を暖める熱源を重油に頼らず、「木質チップ」を原料とした「森林バイオマス方式」を採用している。
こうした先進的な試みが環境省の目にとまり、同施設は「環境の経済の好循環のまちモデル事業」に選ばれている。データでは年間565トンの二酸化炭素が削減される、という。
月を愛でるのも大いに結構だが、地球そのものの「危機的状況」も併せて自覚すべきだろう。
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