北尾社長はスゴイ人 - 定期購読3誌が同時特集 -
厳密に言うと、定期購読している雑誌は『アエラ』、『プレジデント』、『致知』の3誌である。
『アエラ』の購読歴は、20年近く前の「0号」(創刊号)以来続いている。一番のお気に入りコーナーは気鋭のライターが綴る「現代の肖像」だ。
日経新聞の「私の履歴書」も面白いが、雰囲気的には、功なり名を遂げた大人物の〃回顧録〃のようなもので、ロース好きの拙者にとっては些か〃脂身〃が足りない。
その点、「現代の肖像」は、様々な分野で〃同時代を生きる人間〃をビビッドな感覚で取り上げているので、より親しみをもって読むことができる。
前置きが長くなってしまったが、冒頭の定期購読3誌が、期せずして同一人物を最新号で取り上げているので、驚いた。
SBI ホールディングス CEO の北尾吉孝氏がその人。一般にはまだなじみの薄い名前だと思うが、「ライブドア騒動」の最中にホワイトナイト(白馬の騎士)として登場し、同社の堀江社長を叱り飛ばした、あの強面の人物だ。
昭和26年、兵庫県西宮市生まれ。56歳。慶応大学経済学部を経て、野村證券入り。両田淵社長(節也、義久)の薫陶を得て英ケンブリッジ大学(修士課程)で学んだ。
その後も国際畑を中心に、期待通りに〃出世の階段〃を昇っていくのだが、転機が訪れたのは平成7年。ベンチャー企業、ソフトバンクの孫正義社長(50)に引き抜かれた。
『プレジデント』(11月12日号)では、孫社長との会談が組まれているが、そこでは二人の出会いの妙味とともに、『論語』を始めとした人生の指南書について語り合っている。
「徳ある者は必ず言あり」(論語)、「戦わずして勝つ」(孫子の兵法)、「動機善なりや、私心なかりしか」(稲盛和夫)、「利の元は義」(菜根譚)、「天網恢恢疎にして漏らさず」(老子) - 。
巷では「ミートホープ」、「赤福」、そして「比内鶏」と、何とも後味の悪い〃猪口才な悪事〃が次々と暴き出されている。同誌を読んで、改めて人間としての「生き方の原点」を突き付けられたような思いだ。
『アエラ』(10月29日号)では、さらに踏み込んで北尾氏のルーツを紹介している。先祖は「書肆」(しょし)と呼ばれた、江戸時代・上方の「本屋」兼「紙問屋」。
明治に入ってからは、大阪から始まった朝日新聞社(明治12年創刊)の基幹売捌店(販売代理店)として、大きな商いをしていた、という。
紙幅が足りなくなったが、北尾氏が立派なのは、6歳も年下である孫社長の力量を瞬時に見抜いたことと、亡き父から受け継いだ社会奉仕の精神。
私財5億円を投じた、虐待児童を養護する社会福祉法人の施設が、埼玉県比企郡嵐山町に間もなく完成する、という。
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