マッポシ当てないで!! - 真っ直ぐ突き進んだ渡邉先生 -
「そがんマッポシ当てんで下さい!!」 - 。大教室での講義中に居眠りをしていた熊本出身の明大生が九州弁で答えて〃大爆笑〃を誘った話を、今でも時々思い出してはニタつくことがある。
恐らく、広辞苑の改訂版にも掲載されていないだろうが、ほとんどの九州人にとっては、そのニュアンスの程は自ずから分かろうというものだ。
敢えて翻訳すれば、「真っ先に」とか「真っ直ぐに」とかいった表現だろうか。いずれにしても大好きな九州弁の一つでもある。
ところで「マッポシ」と言えば、前国見町長の渡邉秀孝さんの性格そのものだ。前々からそのように感じてはいたが、先日、亡き奥様を偲ぶ夕べ(49日)でご一緒して、益々その思いを強めた。
教職に進んだ渡邉さんの最初の赴任校は、湯江村立・湯江中学校(当時)。拙者が生まれた昭和30年のことだという。
体育教諭として若い頃から血気盛んだった渡邉さんは、数々の〃武勇伝〃を残しているが、それらについては稿を改めて紹介すとして、その席で聞いた「マッポシ進め」篇には腹を抱えて笑った。
余り酒は強くない方の渡邉さんだが、付き合いのためだと稽古を重ね、何とか5合くらいまでは飲めるようになった。
となると、周囲が黙っておかない。放課後が近まると、近所の呑んべいオヤジが三々五々集まって来ては、教室の窓越しに「先生、まーだかなし」。
終業の鐘とともに全員で宿直室にまっしぐら。用意された焼酎の肴は、何と山盛りの栗饅頭。話を聞いて、一瞬ギョッとしたが、試してみると、これが意外にいける。組み合わせ的にはウイスキーとチョコレートのようなものだ。
さーて、問題はそこから先だ。糖分たっぷりの酒食で勢いのついた面々は、「今から大三東中までストームだ!!」ということになり、早速行動開始。
そのルールが「マッポシ」、すなわち「真っ直ぐ進め」だった。畑を突っ切り、湯江側をジャブジャブ横断(橋はコース外)、行く手に家があれば、「ゴメンなして」と中を通り抜けていった、という。
もう50年以上も前の話だが、いま聞いても何だがワクワクする「青春ドラマ」の一コマだ。この夜、先生はいつにもまして饒舌だった。その様子を見て、傍らの奥様の遺影が笑っているようにも思えた。
話は変わるが、拙者にとって昨日は「ブルーマンデー」だったが、今日は「三りんぼう」だったような気がする。
まず昼食の弁当に付いてきたマヨネーズを洗い立てのネクタイにぽとり。極めつけは、訪問先の駐車場に置いていた〃新車〃が傷つけられた。
まだ10日も経っていないのに…。まあ、マッポシ当たらんで良かったけど…。
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