僕、ハーフなんです!? - ダジャレは世の〃潤滑剤〃 -
「に・し・む・く・さむらい・小の月」。子供の頃に教わった「30日以下の月」の覚え方だ。つまり2、4、6、9、11月がその「小の月」に当たる。少し解説するなら、11は漢数字で、「十」と「一」を組み合わせて「士」の形だからだ。
その「さむらいの月」について、まだたどたどしい喋りの「FMしまばら」の放送を聴いていると、しきりに「いい」と読み替えた記念日の紹介が目立つ。
恐らく何かの〃ネタ本〃を手元に置いているのだろう。ちなみに、11月22日が「いい夫婦の日」で、同23日が「いい夫妻の日」ということだ。
そうした〃語呂合わせ〃に頼らずとも、11月23日は「勤労感謝の日」というれっきとした国民の祝日である(昭和23年制定)。
元々は「新嘗祭」(にいなめさい)という宮中行事の一つで、「天皇が新穀を天地の神に供え、自らもこれを食する祭事」とされている(岩波国語辞典)。
「勤労感謝の日」は英語で「サンクス・ギビング・デイ」と言うらしいが、人間、何に対してでも、この「感謝する気持ち」を忘れなければ、世の問題の大半は解決するに違いない。
その伝でいくと、11月23日は、関係を夫婦間に限らず、「いい負債の日」とした方がよりしっくりとくる。つまり、お互い相手に何らかの「負債」があると理解すれば、全ての物事は万々歳だ。
と、そんな他愛もない事を考えながら遅めの夕食を摂っていたら、来春に高校受験を控えた三男君が「よっ、お父さん久しぶり!!」と近寄ってきた。
何だかいつにもましてニヤけているようにも感じていたら、歯の矯正金具の奥から出てきた言葉は、「お父さん、実は僕、ハーフなんですよ」。
???一体、何を言い出すのかと訝っていたら、「だってお父さんは『ライ・ヒン』という中国人でしょう。だったらお母さんは日本人だから、僕はハーフなんです」と。
「バカ野郎、お前は試験の点数が他人様の半分しかなかけん、ハーフたい」と答えたら、「大丈夫、いつもお父さんが言っているじゃないですか。『もう』ではなく『まだ』ですよ。まだ後3カ月もあるじゃないですか」 - 。
確かに、ガツガツした受験の虫よりは人間らしくはあるが、親としてはチト心配でもある。でも、ここは息子の言葉を信用するするしかないか…。
閑話休題―。世の中「オヤジギャグ」だとか、「ダジャレ」とか言って蔑む傾向があるが、それはある意味、「クッション」というか「潤滑剤」でもある。
前述の食卓で「近く日刊工業新聞社の取材を受けることになった」と話したら、家人の顔色がさっと変わった。
「そい、大丈夫ね?まさか『肉感興業』じゃなかろうね、エロおじさん」。せっかく口にしたビールが鼻孔から吹き出てきた。
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