2007/12/04

推敲を重ねた挨拶が… - 物事は予定通りには運ばない -

昨12月2日の日曜日、「(株)FMしまばら」の開局記念祝賀会を島原観光ホテル小涌園で開催した。

地元の方々が中心だったが、遠くは福岡、北松・江迎、佐世保、長崎から駆け付けてくれた人も含めて総勢180人を超える大宴会となった。

何分初めての経験なので勝手が分からない。案内状の発送から席次決め、記念品の調達など…社員にも随分と迷惑をかけた。

しかし、結果は大成功だった。ただし、一点を除いて。その一点とは何か?他ならぬ主催者代表、つまりこの私めの「開会挨拶」である。

十分に下準備はしたつもりである。量にして原稿用紙10枚分を前日までに書き上げ、翌朝には何度も何度も推敲を重ね、「用意万端」で臨んだはずだったのだが…。

失敗の原因は、原稿そのものを覚えこもうとしたこと。南風楼のサウナに入って頭の中でその内容を反芻したが、水風呂の中では吹き出した汗もろともに綺麗に流れ落ちていた。

午後6時の開会の時刻が近付くにつれ、喉が渇きだした。同席した森本元成、久部貞男、宅島壽雄の三氏が「酒を一杯キューとやれ」とアドバイスを下さったが、時すでに遅し。

社員を含めて約二百人の視線が一斉に注がれている。嗚呼どうしよう??とっさの判断で〃受け〃狙いの〃英語〃を口走った。

「レディース・アンド・ジェントルメン…」。後はもう〃八方破れ〃で、何をどう喋ったか、まったく覚えていない。

本当はこの晴れの舞台で「三位一体」と「孫子の兵法」について語るつもりでいたのだ。勿論、ケーブルテレビを含めて、「我々の事業がいかに〃公共性〃が高いか」を大前提に。

「三位一体」については、宗教学者の中沢新一さんの本を読み、キリスト教から生まれたこの発想を「地域活性化」の問題になぞられようと考えていた。

すなわち、「父」「子」「霊」を、国や地域、所属企業の関係に置き換え、勝手に〃自己増殖〃する「霊的存在」のこの私めが、この先過ちを犯さないようにご指導いただきたい、と。

「孫子の兵法」については、前々から「父的存在」の森本元成さんにしっかり勉強するよう言われていたので、薄っすらと覚えている部分もあった。

記憶の細い糸を手繰り寄せて「島原半島では周波数の関係で1局しか存在のしようがないFM事業。したがって、敵がいないのだから、これぞ最高の戦い方である」と、力強く宣言するつもりでいた。

ところが、どちらも口に出せないままにスゴスゴと舞台を下りた。ただ、挨拶の最後に「物事はすべて予定通りには進まないものです」と〃言い訳〃がましく結んだら、予想に反して万雷の拍手を頂いた。

皆さん、本当に良い方ばかりで助かった!!