阪神大災害から13年 - 川上さんの〃芥川賞〃を喜ぶ -
「あー、お母はん、芥川賞とったでー」。起きぬけに何げなくテレビをつけたら、タレントのような若い女性が電話で話している映像が飛び込んできた。
第百三十八回芥川賞を受賞した川上未映子さん(31)である。報道によれば、26歳で歌手デビュー。芥川賞も応募二作目での受賞というからスゴイ!!
最近の若者は〃二極化〃が進んでいると言われるが、本当に優秀で才能のある人間はスイスイと世に出て、富も名声も手にしているようだ。
勝手な思い込みかも知れないが、昔の日本人は〃苦節何(十)年〃というのが大好きだった。ことに「難関中の難関」と言われる司法試験に挑む青春群像は、映画等に取り上げられることも度々だった。
この手の話で最近、妙に存在感を発揮しているのが、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」の中で吉岡秀隆演じる、しがない小説家役の茶川竜之介。自身がしがない文学部出身であるが故に、ついつい〃感情移入〃してしまう。
そんなことより、今日1月17日は「阪神大震災」が起きた日だ。そうか、あれからもう13年の歳月が流れたのか…。
先般、Jリーガー大久保嘉人選手と莉瑛さんの結婚披露宴に出席した話を書いたが、久しぶりに訪れた神戸の街中で〃災害の記憶〃を見つけることはもう難しくなっていた。
「災害は忘れた頃にやってくる」とは漱石門下で科学者でもあった寺田寅彦の至言であるが、まさにその通り。と言うより、当時の神戸の人々はよもや自分たちの所で大地震が起きるなどと想った人は恐らく一人もいなかっただろう。
ただ、科学的な根拠はないが、神戸の災害の前に「八戸」(青森県)、「水戸」(茨城県)と「戸」の付く地名で〃予兆〃とも思える地震が事前に発生していた、というまことしやかな話もある。
昨今の経済情勢で言えば、我が国では「東京の独り勝ち」らしい。それはそれで「首都」である以上、結構なこと。ただし、それは人体で例えた場合、「心臓部分が元気」なだけの話である。
普賢岳噴火災害に感じたことは、いかに東京が地方をないがしろにしているか、という忸怩たる思いだった。西の最果ての、さらに半島という末端部に起きた自然災害に当初、中央の人間は冷淡であった。
今でも忘れないが、芥川賞作家の林真理子が週刊文春のコラムで、塗炭の苦しみを味わっている我が郷土の人々の表情を〃都会的な切り口〃で論評していたことを、実に腹立たしく読んだ。忘れない!!
川上さんがどんな人柄か知らないが、林真理子より断然美形だし、少なくとも被災地の近く(大阪)で育っている以上、少しはその苦しみも、理不尽さも分かっていることだろう。その意味でも、今回の受賞は嬉しいのである。
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