ほろ苦かった同窓会 - タダみたいな大リーグの税金 -
年が明けても相変わらず、飲む機会に溢れている。皮切りは10年ぶりの高校の同窓会だった。
〈赤い夕陽が 校舎をそめて ニレの木陰に 弾む声〉 - 。昨年、作曲家生活50周年を迎えた遠藤実さんの代表作の一つだ。
集まった面々は3人の恩師も含めて50人強。前回の130人から比べれば若干寂しい気もしたが、卒業以来30数年ぶりに邂逅(かいこう)できた顔ぶれもいて楽しかった。
個人的には、当時仄かな〃恋心〃を抱いていた女性も複数出席していたが、もうどうあがいても〃ババア〃の様相…。時の流れの何と残酷なことよ!!
会場の南有馬までは今年三月末で〃廃止〃の方針が固まっている島鉄・南目線を利用した(島原→原城前)。
車内には高級そうな一眼レフやデジカメなどを携えた素人カメラマンが、狭い座席間をせわしなく動き回りながら、しきりにシャッターを切っていた。中には親子連れと思しき人もいた。
車窓から眺める平成新山や有明海の景色はまた格別だった。恐らく、これから三月にかけては、さらにそうした乗客の数が増えていくことだろう。
小生も〃廃線〃を機関決定した同社の取締役会に出席していた一人なので、発言には気を付けないといけないが、残念であることだけは確かだ。
ここに至るまでに何らかの手は打てなかったものか…、との思いは今でも拭い切れないが、それが経営陣及び地元行政が下した〃結論〃であり、〃現実〃である以上、致し方がない。
帰途、列車に揺られながら、何の脈絡もないが、昨年11月半ばに宮崎市内で聴いた、ある講演のことを思い出した。
講師は福岡ソフトバンクホークス取締役の小林至氏。東大からロッテに入団したが、1勝もあげることなく退団した元プロ野球選手の話だ。
演題は「米メジャーリーグ球団の経営について」だった。同氏は、今後も日本のプロ野球から一流選手の流出は相次ぐ、と見ている。
何故か?それはメジャー球団はいずれも、経営的にとても安定しているからだ、という。
一時期は試合放棄が相次ぐなど〃経営危機〃が叫ばれていたメジャーリーグだったが、不死鳥のように蘇ったのは〃税制〃の恩恵だと知って驚いた。州によって異なるが、球場に課せられる固定資産税がナント〃年間数ドル〃の所がある、というのだ。
「地域の住民が愛して止まない〃社会資本〃には〃例外規定〃を設ける」というのが、彼の国の基本的な考え方だという。ナント粋な計らいではないか!!
我が国にもそうした〃公共思想〃がきちんと根付いているなら、島鉄問題もまた違った展開を辿ったに違いないのだが…。
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