〃花嫁の伯父〃は大物!! - 物静かな紳士だった三木谷氏 -
(夜の行状告白は省略)。5日午前8時半すぎ。前夜、あれほどまでに意気軒昂だった〃花嫁の伯父〃の姿がバスの出発時刻になっても見えない。
「どっか行き倒れちゃおらんじゃろかい」「よもや暴力団に…」「そがん言えば、面つきの悪かもん」「いんにゃ、あれにゃ誰でん避けて通るばない」 - 。
ざわつく車内の心配をよそに、伯父様は9時すぎに悠然と現れた。「なしー、出発は9時頃て言いよったろもん!!」。
時間は前後するが、小生は6時前に起床。6時半には隣室のT専務とM先生に声を掛けて、朝の散歩に連れ出した。
まず訪れたのは、昨夜、車窓から拝んだ「湊川神社」。〃電話魔〃のT専務は早速、愛用の携帯電話を取り出し、神様の前でも「おはよう。しっかりせんば!!」などといつもの口癖。
続いて、「多聞通り」を三宮方向に移動。「花隈公園」周辺を一巡して、一時間ほど歩いてホテルに帰った。途中、M先生が深夜に訪ねたという牛丼の「吉野家」を見つけた。
ホテルから出発後、10分足らずでスタジアムに到着。グランドではほどなく、約80人が参加しての記念の祝賀試合が始まり、遠目に三木谷オーナーの雄姿が確認できた。
誰かが話していたが、この施設の整備費は、土地代が2百億円、建設費が3百億円で、〆て5百億円。しかも「ヴィッセル神戸」というチーム自体が、三木谷浩史個人のチームだというから驚きだ。
経済人としての〃素顔〃は知る由もないが、この日の三木谷さんは、とても物静かな紳士だった。記念写真を所望する人間は後を経たなかったが、少しも嫌な表情を浮かべることなくカメラに収まっていた。
〃島原組〃も「是非この機会に!!」と次々と要望を満たしていたが、カメラマンとしての小生はいささか気後れしたのも事実。それにしても41歳の若さで従業員6千人。やっぱり偉くなる人は違う!!
料理は和洋折衷のフルコース。最初のうちは緊張していた面々も酒が入るにつれてリラックス。そのうち島原地酒の「網元」(萬勝製)が出だすと、皆さん絶好調状態に。
かくして宴席は4時間以上も続いたのであるが、ご両親ともども参加した三木谷オーナーは、終始笑顔を絶やすことなく、お開きまで務め上げた。
一番印象的だったのは、最後に見せた〃花嫁の両親〃の涙。いつもながら、このシーンは感動的である。殊にサッカーの指導に当たっている父君の恐ろしさを知っているだけに…。
再々登場する伯父様は「三木谷オーナーがハイヤーを2時間も待たせていた」と驚いていたが、小生に言わせると、「バスの乗客50人を30分以上も待たせたアタンの方が〃絶対量〃で、まーだ凄かばない」。やっぱ、S兄ちゃんな、大物!!
‐おわり‐
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