2008/02/01

G馬場は読書家だった - 無名時代のアニマル浜口 -

平成20年も早ひと月が過ぎた。きょう1月31日は、以前に勤めていた会社の創立記念日だった。過去形で書いているのは、すでに社名が変わってしまったからだ。

今朝「FMしまばら」を聴いていたら、パーソナリティの女性が「今日は日本橋の東急百貨店が閉店した日(1999年)です」と喋っていた。

面白くなってネットで調べてみると、同じ日にジャイアント馬場が亡くなっている。一度だけだが、プライベート姿の同選手を見かけたことがある。

場所はキャピタル東急ホテルのロビー。もう10年以上も前に、島原生き残りと復興対策協議会の皆さんと一緒に上京した折に、その巨大な姿を認めた。

グローブのような大きな手で文庫本のページをめくっておられた。大の読書好き、との噂は聞いてはいたが、「確かに間違いない」と、その時思った。

プロレスで思い出した。娘がアマレス界で活躍しているアニマル浜口氏のことだ。最近では「気合だぁー」の掛け声で清涼飲料水のCMにも出るなど、ちょっとした人気者だが、初めて見た時はまだペーペーの存在だった。

中学2年の頃だった。老舗の「日本プロレス」(NTV系)に反旗を翻して立ち上がった「国際プロレス」(TBS系)の興行が小浜町の体育館で開かれた。

役場に勤めていた叔父から千四百円のリングサイドのチケットもらって、今では高校の英語教師となっているプロレ狂の友人と観戦に出向いた。

会場は試合が始まる前から熱気で溢れていた。気を静めようとトイレに立った折に、アニマル浜口選手と出会ったのである。

一緒に並んで用を済ませた。その時感じた「この人、意外に小柄だなあ…」というのが偽らざる第一印象であった。

同選手は鏡に向かって胸の辺りの筋肉をブルッと震わせてみせた。「オー!!」。いささかオーバーに驚いて見せたら、嬉しそうな表情を浮かべ「坊主、しっかり勉強しろよ」と声を掛けられた。

今からもう40年近くも前のことだが、当時はさすがに「気合だぁー!!」とは叫ばなかった。それにしても、人生は面白いと感じるのは、その後の有為転変の流れであろう。

レスラーとしては最も小兵の部類で、タイトル戦とも縁がなかったような人間が、並み居るチャンピオン経験者を押し退けて、今やちょっとした芸能界のスターである。

ただ、これだけは言えるのではないか。自分が余り日の当たる道を歩かなかった分を〃子供の教育〃に力を注いで、それが時代の要請と上手くマッチングした結果だと。

「今日は何の日」で調べると、2月1日は「テレビ放送記念日」(昭和28年)。力道山が活躍していた頃のプロレス中継(金曜夜)が懐かしい。