2008/02/12

少しは役に立ったかな!? - 奈良・壺阪寺先代住職の教え -

島原とも馴染みの深いフリージャーナリストの江川紹子さんから、先日メールを頂いた。中身は知人から頼まれた「人探し」。

手がかりはその方(物故者)の「旧姓」と「生年月日」くらいで、本籍や学歴等のさしたる手がかりはなし。

さーて、困った。いかに島原半島が、過疎化が進んでいる地域とはいえ、その年に生まれた人間は何千人といるはずだ。加えて、最近は「個人情報」等の問題もあって、そうそう簡単には割り出せない。

困り果てていたら、岳父が「島高の卒業名簿ば見てみろ」と一言。素直にその教えに従ってページを捲っていたら、ナント偶然にもその方と思しき人の名前が見つかったのだ。

条件もピッタシだったので、喜び勇んで江川さんに返信。江川さんもことのほかに感激してくれて、小生に「SCIA」長官の称号を下さった。

「SCIA」とは「CIA」(アメリカ中央情報局)をもじったもので、「S」は島原半島を意味するものらしい。

江川さんは以前、週刊文春誌上で「人を助ける仕事」と題して連載コーナーを受け持っていた。その点では、今回は小生も少しは〃手助け〃になったかな、と思っている。

話は変わるが、ひと月ほど前に車の運転をしながらNHKラジオの『宗教の時間』を聴いていたら、奈良県にある「壺阪寺」(真言宗・南法華寺)のご住職(常盤勝範氏)が出演されていた。

同寺院は大宝三年(西暦703)に創建された古刹で、西国三十三箇所第六番札所として知られる。人形浄瑠璃「壺阪霊験記」の舞台としても有名だ。

番組の中で同住職は自身の経歴について触れ、「父親の死によって、科学の世界から急きょ、宗教界に引き戻されてしまった」と苦笑いされていた。

その父、常盤勝憲氏が常々子供達に言い聞かせていたことは「いつも人を喜ばせるよう心がけなさい」という教えだった、という。

「最初のうちは何が何だかサッパリ分かりませんでしたが、跡を継いでみて、ようやく父が諭していたことが呑み込めてきたような気がします」と述懐する同住職。

今回の江川さんの依頼事と壺阪寺とは何の関係も脈絡もない。ただ、我が身を振り返ってみて、果たして小生の仕事や行動は人様のお役に立てているのだろうか…。思わず自問自答してしまった。

「この能なし野郎」「役立たず」…。他人を誹謗中傷する言葉は枚挙にいとまがないが、考えてみれば、「引き立て役」あってこその「主役」である。

そう、「醜男」あってこその「色男」なのだ。入学試験に失敗したからといって嘆くな。落ちる人間がいるから合格者が生まれる。人生は長~いのだ!!