2008/03/12

永さんの筆まめに驚嘆 - やはり便りは手書きに限る!! -

詳しい数字は忘れたが、永六輔さん(放送作家、マルチタレント)は年間に約1万通ものハガキを、ラジオのリスナー(聴取者)に出されている、と先日聞いて驚いた。

ざっと計算しても、1日当たり30通だ。その理由がふるっている。「皆様、お便り下さい、と放送を通じて呼びかけているのだから、当然でしょう」と。

筆不精の我が身にはいささか耳の痛い話だが、その永さんがもう随分と昔に、宮崎康平さんについてラジオ番組で喋っていたことを思い出した。

「長崎県の島原に宮崎康平という盲目の作家がおられます。作品そのものも素晴らしいのですが、生き方というか、考え方が素敵です」…云々。

確かその時、永さんは「水平思考」という表現を使って、宮崎さんの人となりを全国のリスナーへ向けて語りかけていた。

ところで、「便り」と言えば、「フーテンの寅さん」こと、俳優の渥美清さんのハガキの話も有名だ。

松竹の人気シリーズだった「寅さん」は一作一作、全国の「地方」を舞台に撮影が行われていたので、主役の渥美さんは家を空けることが多かった。

田所康雄名(渥美さんの本名)で、母親宛に出されるハガキは「毎日」。いかなるロケ先からも「元気です。康雄」の一言を添えて送られていた、という。

今の時代のように携帯電話が普及した中でも、渥美さんは恐らく(いや絶対に!!)メールなどを使うことなく、せっせとペンを走らせていたに違いない。

大方のビジネスマンがそうであるように、今では朝一番の仕事はパソコンのメールチェックだろう。弊社でも、日報や社員のスケジュール管理はすべてパソコン任せだ。

確かに便利この上ない。時系列的な整理だけでなく、個人、セクションごとの一括管理、書き込み、返信などもいたって簡単。まさに現代ビジネスにとっては必須のツール(道具)だろう。

しかし、同時に味気がないのも事実。転勤、引っ越しの挨拶など、手書きの部分が1つもないのは、はなから読む気がしない。やはり手紙、ハガキの類いは「手書き」に限る。

この場合、字の上手下手は一切関係がない。右肩上がり、下がり、丸文字、ミミズ文字、漢文調、ですます体…。読み進めていくうちに新たな「発見」があったりして面白い。

郵政(郵便局)が民営化されて、会社への書簡類を届けてくれるスタッフの方々の制服も一新されている。

先日、ゆうパックを配達して下さった顔見知りの職員の方は「最近はうるさくなって、受け取りは印鑑、もしくはフルネームでお願いします」とサインを貰っていかれた。

そう言えば、今年の正月は吉永小百合さんから「印刷物」の年賀状が届いていたなあ…。そろそろ返事でも書いてみようか。