2008/03/16

「オヤッさん」古希祝…今日、小浜の伊勢屋旅館で

古希(数え年70歳)の由来は「古来まれなり」。「オヤッさん」の愛称で皆に親しまれている「番丁」(小浜温泉)の旦那の本名は「草野忠也」(くさの・ただなり)だ。

その「オヤッさん」が今年、古希を迎える。誤解を恐れずに言えば、「オヤッさん」は昔から老成した顔をしていた。これでやっと〃年相応〃と言えるようになった。良かった。

「オヤッさん」にはペーペーの若い頃から世話になりっぱなしだ。もっとも、今でもペーペーに変わりはないが…。

世話になったのは小生だけかと言うと、決してそうではない。今では功成り名を遂げた議員先生諸氏も、「オヤッさん」には頭が上がらない。

なぜなら、当選する前の〃生地〃の姿を、「オヤッさん」は悉く知り抜いているからだ。したがって、いつまで経っても「オヤッさん」は怖い存在だ。

20年ほど前、「オヤッさん」は若者の車と言われたトヨタの「ソアラ」に乗っていた。これが不思議と良く似合っていた。

その「オヤッさん」と奥様に、とても辛いことがあった。一人娘のYちゃんを病気で亡くしてしまったことだ。朗らかで体格の良いお嬢さんだった。

小生らが「番丁」に通い始めた頃は、Yちゃんはまだ幼子だった。数多出入りする中には、お年玉をあげるどころか、寸借して嬉野方面を目指した〃不逞の輩〃もいた。誰とは言わない。

「オヤッさん」は酒を一滴も飲まない。その代わり、奥様がビールを沢山召し上がられる。傍から見ていても、本当に仲の良い夫婦だ。

我々が訪ねるのは、一次会、二次会を終えた10時過ぎの時間帯だ。「オヤッさん」は奥の和室でいつもテレビを視ている。

テーブルには、年季の入った大きな湯呑み茶碗。愛読紙は読売新聞。文藝春秋(月刊誌)も良く読まれているようだ。

世間話が始まるが、「オヤッさん」は自分からは余り喋らない。ひとしきり相手の話を聞いた上で、おもむろに口を開く。

「ないどんか」(しかしの意味)のフレーズが出始めたら、興が乗ってきた証拠だ。談論風発。政治、スポーツから地元の話題までネタは尽きない。

そうこうしているうちに、仕事を終えた隣の伊勢屋旅館の社長夫婦が顔をのぞかせる。旦那は寡黙だが、奥様は休む間もなく喋り続ける。

何せ「オバサンの主張日本一!!」の金看板を背負っているから、太刀打ちできる相手ではない。「オヤッさん」は、そうしたやりとりの様子を温和な表情を浮かべて眺めている。

他所のことは知らないが、「番丁」は我々の変らぬオアシスだ。その「オヤッさん」の古希祝いが今日16日、伊勢屋旅館で開かれることになっている。行く、絶対に行く!!