組織の浮沈はヒト次第 - カギ握る〃団塊世代〃の動向 -
新年度の挨拶を兼ねて久方ぶりに県都・長崎市へ出向いた。まずは資本提携先で、島原半島関係のニュース素材を送っているテレビ長崎(KTN)へ。
ここは普賢岳噴火災害以来、旧知の人も多く、何かしら〃他人〃のような気がしない。これまで幾度となく訪ねているが、同社敷地が幕末・土佐藩の志士、後藤象二郎の邸宅跡だったとは知らなかった。
続いて訪ねた県庁の玄関先では、雲仙市選出の徳永達也県議と遭遇。さすがに2期目となると、その立ち居振る舞いも板に付いた様子。感心した。
アポを取っているわけでもなかったので、庁内配置図を頼りに、気ままに回った。改めて気付いたことは女性が美しいことと、職員の真面目な勤務ぶり。
約2時間をかけて一通り挨拶回りを済ませ、長崎新聞社へ。受付嬢に訪問の目的を告げると、電話で確認の後、磁気付きの入館カードをくれた。
6階の報道フロアは、放送局や県庁とは異質の活気で溢れていた。案内されるままに、一番奥まった小部屋へ。何のことはない、「健康増進法」とやらで、隅っこに追いやられた「喫煙室」だった。
窓越しに眺める浦上川の向こうに校舎が見えた。「あれが長崎西高か?」と尋ねると、「そうだ」という。なるほどそうか、校門前の坂道が、かの有名な「遅刻坂」か。
1階の喫茶フロアは、いつになく閑散としていた。しばし歓談。世間話のついでに、本年末に迫った次期島原市長選の話題となった。
「もう、かなり活発な動きがあるのでは?」。改まって取材をしているわけでもないので、正直に「知らない」と答えた。
ここの窓からは、今秋オープン予定の再開発ビル(長崎バス)の目玉と言われている「大観覧車」が鎮座しているのが見えた。
完成の暁には、その高みからは何が見えるのだろう。長崎名物の夜景、坂の街、港の景観、それとも脇に腰掛けた恋人の横顔だけだろうか…。
余計なお世話だが、漏れ聞く所によれば、最近ではスピードやスリルを競う「ジェットコースター」より、昔懐かしい「観覧車」や「コーヒーカップ」などの〃ユッタリズム〃の魅力が見直されている、という。
背景には、700万人とも言われる「団塊世代」の大量定年がある、とか。いずれにしても、「競争」に明け暮れた戦後ベビーブームの落とし子たちの行方が、今後の日本経済を大きく左右するのだ。
「ゆとり」か、「管理」か。教育の世界にとどまらず、組織はありよう如何によって、浮きもすれば、沈みもする。
夕方、会社に帰り着いて弊紙を広げたら、「島原市が機構改革」の記事。県も変わった。市も変わるか。ただ、動かすのも、動くのも「ヒト」である。はて、次の市長さんは!?
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