2008/04/24

恐るべしブランド力!! - 世界へ羽ばたけエタリの旨味 -

‐(株)CATV島原専務 清水眞守‐

島原城の堀端に何本の桜が植えられているのか知らないが、中に1本だけ「柿」の老木があることに、最近ようやく気付いた。場所は商高前の桜並木の道路側。もっと詳しく言うと、正門左手の頌徳碑とグラウンドが接する辺り。

最近では「メタボ克服」に願掛けして毎朝のように周辺を散歩しているが、何だか〃宝物〃を発見したような気分だ。

その「柿」に関して最近、面白い話を耳にした。東京出張の途中で立ち寄った「JLN日本地域紙協議会」(日比谷公園内)で伺ったものだ。

長野県南信州地方には「市田柿」(いちたがき)という〃干し柿〃があって、これが産地ブランド化によって〃バカ売れ〃している、というのだ。

生産地は下伊那郡高森町市田地域。そこでは、新年に〃縁起物〃として干し柿を食べる習慣があって、「種の数が多いほど、その1年で多くの富を蓄えることができる」という言い伝えがあるのだそうだ。

小生の覚え違いでなければ、確か島原地方では「種の数=苦労の数」ではなかったか!?もし、そうだとすれば、来年から〃前向き思考〃の市田方式に改めた方が断然良い。

話をしてくれた元時事通信社記者のNさんによれば、全国紙で全面広告を出すくらいだから、相当な生産量(売上高)を誇っているのだろう。

その伝でいくと、同じ「柿」でも、「実」ではなく「葉っぱ」ビジネスで大成功しているのが、徳島県上勝町。本欄でも以前に紹介したことがあるが、こちらの知名度もすでに〃全国区〃だ。

何せ、綺麗とはいえ何の変哲もない「柿の葉」1枚の値段が百円も二百円もするのだから、主役の〃婆さん連中〃ならずとも笑いが止まらないだろう。

げに恐ろしきは「地域ブランディング」の力で、小浜(橘湾)特産の「エタリの塩辛」にも大いに期待を寄せている。

23日付の本紙「こぼれ話」では、その話題を取り上げていたが、これぞ地域に埋もれていた、全国に誇れる〃宝物〃であった。

小生も小浜生まれ(昭和30年)であるが、幼い頃の記憶では、なぜあんな〃食べ物〃が存在するのか不思議であった。

ところが、時代は流れて、世に言う〃健康ブーム〃。食べ物にうるさい「(株)とっとっと」の松永忠徳社長に言わせると、「エタリの汁は優れた魚醤(ぎょしょう)だ」と。

確かに、伊勢屋旅館の草野肇社長がふるまってくれたパテ状のオリーブオイル和えは〃絶品〃であったし、熊本出張帰りに弊社に立ち寄られた有美子女将(専務)の口調も自信に満ち溢れていた。

「世界スローフーズ協会の認定も頂いているし、イタリアのアンチョビにも絶対負けないわよ!!」。この方、オリーブオイルがなくても口調は滑らかだ。