2008/06/03

どうする「水」と「高齢化」…避けては通れない重要課題

‐(株)ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

昨夜、とても気になる内容のテレビ報道番組を2本見た。1つはTBS系で6時半から流れた『夢の扉』。もう1本は、フジテレビ系10時台の『プレミアA』だ。

前者については、かれこれ1年ほど前に特集された、「水の浄化実験」に取り組んでいる、群馬高専特任教授、小島昭さんの活動歴を再び取り上げていた。

前回、同番組を見た時はいたく感動し、本欄でも早速取り上げ、「島原市も〃水都〃を標榜するなら、関係者には是非同教授にコンタクトをとっていただきたい」旨の提案を行った。

ところが、案の定、反応は梨の礫(つぶて)。すでに各種団体とも連携して、「EM菌で一定効果をあげているので」といったところだろうが、果たして本当のところは!?

小島教授が着目しているのは「炭素ファイバ」の不思議力。これを短冊状にしたものを、汚染状態の湖沼や河川に一定期間浸けて、その推移を見守る。

同番組の報道が真実ならば、これはもう〃大発見〃である。静岡県猪鼻湖では沈めた炭素ファイバにヘドロやホヤ貝が列をなして付着していたし、中国・蘇州での実証実験には現地の人々も手放しで拍手を送っていた。

同教授は「2020年までに世界中の水を綺麗にしたい」と夢を語っていたが、日本国内でもその手法を取り入れた地域がすでに約200か所。有明海、白土湖、各種河川…。長崎県、島原市にとっても、今後の環境行政を占う〃潮目〃や〃分水嶺〃に差し掛かってきているのでは…。

一方、フジテレビの番組では、完成から36年が経過した東京板橋区の「高島平団地のいま」を取り上げていた。サブタイトルは「老いゆく街」。

同団地は札幌オリンピックが開催された昭和47年に竣工。庶民にとっては高層住宅がまだ高根の花だった時代で、入居希望者は後を立たず、何と初回の抽選倍率は200倍の〃超難関〃だった、という。

番組では、急速に進んだ居住者の老齢化に伴う、諸問題を取り上げていた。脚が不自由なのに、週に1度しか実の娘が訪ねてこない男性。会話を交わすために250円の地域通貨を使う老婆。ともに80代の独居老人だった。

7つあった小学校のうち2校は、児童数の減少で廃校。団地内の新聞は「ついに65歳以上の〃老齢化率〃が30%を超えた」と報じていた。

島原市企画課がある調査機関に依頼したデータによれば、島原市も10年を待たずしてそのラインを突破する。いわゆる、税収で地域財政が賄えなくなる「限界集落」に陥ってしまう、というわけだ。同様のことは、隣接する自治体についても言える。

週の初めから暗い話になって恐縮だが、いずれも避けては通れない重要な課題である。読者の皆様も、一緒になって知恵を絞ってまいりましょう。