2008/06/11

どなたか心当たりは?…雨情が遺した口之津の歌

‐(株)ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

〈近頃は 大人が隠れて たばこ吸う〉〈方丈記 判る頃には 介護四〉 - 。たまたま出張先で立ち寄った書店で、俳優の小沢昭一さんが新潮社から出している新書本に目がとまった。

本のタイトルは『川柳うきよ大学』。冒頭の二句は、帯の表紙に印刷されているもので、思わずニンマリしてしまった。

裏を見ると、こうあった-。〈メール打つ その指で揉め 母の肩〉〈広告で 毎日ガンが 治ってる〉〈立ち上がる 何で立ったか 考える〉〈三連休 パパを覚えた 赤ん坊〉〈百歳は 何をやっても 健康法〉

いずれも甲乙つけ難い〃風刺〃と言うか、〃切れ味〃であるが、本物のナイフで刺したり、切りつけたりすることは、全くもって論外である。

しかしながら、現実問題、何の罪もない一般の人々をサバイバルナイフで無差別に殺傷するという、悲惨極まりない事件が起きてしまった。

詳しい事件の経過や犯行動機については、すでに他メディアで検証が進んでいるようなので端折るとしても、日中堂々とこのような凶行がまかり通るようであれば、日本の治安も決して〃世界一〃とは言い切れないのではないか。

事件そのものもさることながら、余計に寒々としたものを感じたのは、携帯電話のメールの掲示板に幾度も〃犯行予告〃がなされていた点だ。本当に背筋が凍る思いだ。

当社は〃ビジネス〃として、インターネットの仲介事業(プロバイダ業務)を行っているので、なおさらである。

加えて、事件現場に近い秋葉原駅前には、主要取引先が入っているビルがあり、小生も何度かその周辺を歩いた覚えがある。何はともあれ、犠牲者のご冥福を祈るばかりだ。

その東京から昨日(9日)、歌手のキャッシー大澤さんがやって来た。本名は大澤一恵さんと言い、島原市は広馬場の出身だ。

すぐに小生が担当している『ターニングポイント』というスタジオ番組のゲストとしてお迎えしたのだが、実に歯切れの良いトークを披露してくれた。

幼い頃からの歌手になりたいという「夢」。しかし、なかなかその思いを両親に打ち明けられなかったという「苦悶の日々」…。話を聞いていて、「志の確かさ」を感じ取られた人も多かったのでは、と想う。

殊に印象に残ったのは - 「外国と日本の歌が私の中に並立してある。それが、年齢を重ねるにつれて、日本語の歌詞で歌いたいという気持ちになった」という独白にも似た台詞。

言い換えるなら、日本人(島原半島人)としての「アイデンティティ」が、ここに来て頭をもたげてきた、ということだろう。

大澤さんはいま、野口雨情が口之津方面で作詞した歌を探している、という。心当たりのある方は、ぜひ当社宛、情報をお寄せ下さい。