久留米井筒屋が閉店…ゴーギャン・ヒマワリ!?
‐(株)ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐
もしその後に転勤があってないとすれば、現在、西日本新聞の久留米総(支?)局長を務めているのは、島原支局在任中に太田一也・九大名誉教授からの〃聞き語り〃をまとめた、吉田賢治さんのはずだ。
14日付の同紙を読んでいたら、井筒屋デパート(久留米店)が年明けにも閉店する、という。筆者も一度だけ訪れたことがあるが、雰囲気の良い店だっただけに残念だ。
大通りに面した玄関脇には、自然食品のレストラン。なかなかに洒落た造りであった。奥のエスカレーターを昇っていくと、書店があり、手当たり次第に何冊かまとめ買いしたことを覚えている。
うち一冊が岩波書店から出ている『一日一文』(英知のことば)だ。編者は中央大学名誉教授の木田元(きだ・げん)さん。発行後一月で「第3刷」とあるから、この手の本では比較的売れている方だろう。
早速、久留米市内を当て所(ど)なくうろついていた数年前の状況を想い起こしながら、8月14日のページを開いてみた。
この日、取り上げられているのは、フランス後期印象派に属する、画家のゴーギャン。1848年生まれで、1903年に亡くなっている。
経歴欄を見ると、35歳の時に株式仲買人をやめて画家に転じた、と。代表作『タヒチの女』を描いたのは晩年。解説本は、岩波文庫から出ている『ノア・ノアタヒチ紀行』(1960年・前川堅市訳)。そこにはこうあった - 。
〈タヒチでは、太陽の光線が、男女両性へ同じように光を投げかけるように、森や海の空気が、皆の肺臓を強健にし、肩や腰を大きくし、ひいては海浜の砂までも大きくするのである〉
〈女は、男と同じ仕事をやる。男は女に対して無頓着である。 - だから、女には、男性的なところがあり、男には、女性的なところがある〉
なるほど、画集などで良く見かけるゴーギャンの作品の特徴を、鮮やかに言い表しているようだ。
ところで、夏の花と言えば、即座に向日葵(ひまわり)が思い浮かぶが、そこから連想される代表的な絵画は、何と言ってもゴッホの『ヒマワリ』だろう。
ところが、ところが、である。一月ほど前に島原市内の花屋で買い求めた向日葵苗の説明書には、「ゴーギャン・ヒマワリ」と銘打たれていたのだ。
ゴーギャンが向日葵を描いたかどうか知らないが、畑などで見かける通常の種類とは花弁の形が著しく異なる。何かしら、こう〃黄色い炎〃が燃え盛っている感じなのだ。
確か、井筒屋の自然食品店には「ヒマワリの種」が置いてあった。「ゴーギャン・ヒマワリ」にならって、何とか〃復活の炎〃を燃やすことはできないものだろうか…。
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