カタログ本を利活用!!…雑誌から鼻毛カッターまで
‐(株)ケーブルテレビジョン原専務 清水眞守‐
〃通販生活〃なるものが段々と世間に幅をきかせてきている。百貨店系のカタログ本などは、厚み十分の豪華装丁で、うたた寝の枕にするには丁度よい。
結婚式などの〃お返し〃も、最近ではカタログ注文が主流のようだ。確かに、お盆やお皿などの〃固定〃系と違って、選ぶ楽しさを味わうことができる。
我が家にも今月に入って、その種のカタログ本が相次ぎ送られてきた。ワクワク、ドキドキでページをめくりながらの品定め。それだけでも楽しい。
第一弾は月刊「文藝春秋」の3か月分に決めた。同誌は一冊790円だから、送料込みで約3千円か。なるほど良い線だ。これで年内は買い忘れなし、と。
次いで申し込んだのが「鼻毛カッター」。発注後、わずか数日間で送られてきたことに、まず感激した。
梱包を開けてみると、「ナショナル」製ではないか。古い表現で言えば、「メーカー品」だ。はて、どれくらいするのかと想像してみたが、やはり〃3千円〃が妥当なところだろう。
だが待てよ。「ナショナル」だからと言って、安心するのはまだ早い。何せ、同社の製品は火を吹いて、リコールされているニュースがよく流れているぞ。
いやいや、心配ご無用。電源はコンセント(百ボルト)ではなく、単三のアルカリ電池一個ではないか。これでヤケドすることはまずあるまい。
黒を基調とした商品箱の表面には、「60度鋭角内刃で、毛を引っ張らずにカット」とのもっともらしい能書き。中には、犬のウンコのような形状の商品が入っていた。
備え付けの乾電池をセットして、スイッチを入れる。丸みを帯びた尖塔部を恐る恐る鼻孔へ突っ込むと、「ウィーン」というモーター音とともに、「ジリッ、ジリッ」というカット音。
スイッチを切った後、目の前にティッシュを広げて〃戦果〃のほどを見極めようとするが、なかなか確認できない。外蓋を開けて、ようやく見えた数㍉サイズの切断片。
ただ、やっぱり、親指と人差し指の間に挟んで、「エイ!!」と抜き取るいつもの〃大物〃とは存在感がまるで違った。
それにしても、頭髪ばかりでなく、最近は鼻毛にも白いものが目立つようになってきた。「敬老の日」も近いが、「老い」とは何とも寂しいものだ。
さて、いよいよ最後の商品紹介に移る。三度目は無難にショルダーバックを選んだ。写真と実物とでは幾分か〃落差〃があるかも知れないが、一目見て気に入った商品だ。
番外編だが、昨夜、茶の間で鼻毛を抜いていたら、塾帰りの三男が血相を変えて飛び込んできた。「お父さん、僕が財布を狙っていたのに…」。
オイ、オイ君、何でも「先んずれば人を制す」だよ。
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