2009/01/15

大切なのは「気づき」…最も辞めてもらいたい議員は?

‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

『上司は思いつきでものを言う』(橋本治、集英社新書)というが、どうやら最近は、市長も思いつきでものを言うらしい。14日付けの朝日新聞がその〃実態〃を報じている。

詳しくは同紙社会面を読んでいただきたいが、鹿児島県阿久根市長の「ブログ」(インターネット上の日記)が関係各方面に大きな波紋を広げている、と。

何せ、そのタイトルがすごい!!「最も辞めてもらいたい議員は?」と題してネット投票を呼び掛けているのだ。同市長のコメントがふるっている。曰く「思いつきだ」と。

人事案をはじめとした各種上程案件がことごとく否決されていることを受けての〃反転攻勢〃の一端だろうが、「思いつきはないだろう」と思う。それと、こういう形でのネット利用は、麻生総理ではないが、いかがなものか?

新人同士の激しい選挙戦を制して市議職から当選されたのだから、力量の程は伺い知れるが、誤解を恐れずに言うなら、この方に決定的に欠けているのは「気づき」の能力であろう。

「思いつき」と「気づき」。字面だけ見ると、何となく似かよった感じがしないでもないが、前者はどこか危なっかしい。その点、後者は一歩控えめな響きで好ましい。まあ、個人的な思いだが…。

筆者も度々何かを「思いついて」は、家族や社員に意見を求める。そして大概は「否定」される。それでもめげずに「思いつき」を重ね、段々と精度を高めていく。

喩えて言うなら、これは企業活動における「プロモーション」のようなものだろう。自分では「最良&最善」と思っていても第三者からすると、とんでもない「思い違い」ということはままある。

そこで大切なのは「気づき」である。この感覚は発案者、傍聴者双方に求められるものだ。何事もボーとしていては「気づくこと」はない。

従って、常に問題意識をもって「周囲の事象」を観察することは、とても重要なのである。ここをすっ飛ばしてばかりいたら、「ビジネスチャンス」なんて生まれるはずがない。

と、ここまで書いて件の阿久根市長のブログを開いてみたら、あった、あった「問題のブログ」(1月12日付け)が!!中身を覗いてみると、15人の議員を3ブロックに分けて「アンケート投票」を呼び掛けているのだ。

同市長はこの調査を始めたきっかけを「思いつき」という。確かに、全国的に「地方議会の改革」が叫ばれている中では、斬新な試みかもしれない。が、余りにも奇を衒った印象をぬぐえないのも事実だ。

果たして、このまま「我」を貫き通すのか、それとも何かに「気づく」のか?首長、議会、並びに有権者の見識が問われるところ。