いずこも同じ報道内容…マスコミは大衆迎合主義!?
‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐
誰が見聞しても「おかしい。間違っている」という〃行為〃を、「これでもか!!」と言わんばかりにあげつらうことに、どんな深い意味があるのだろうか?
皮肉の大家であった山本夏彦翁ご存命なら、「これぞマスコミの大衆迎合主義」と揶揄したであろう。他でもない、G7での〃酩酊会見〃で辞任に追い込まれた中川昭一〃前〃財務・金融担当相のことを報じるテレビ・新聞のことである。
昨夕、出張を終えて帰宅したら、民放のどのチャンネルでも特集を組んで、そのニュースを報じていた。NHKしかり。続けてダラダラと「報道ステーション」「ニュース23」にチャンネルを合わせてみたが、これまた絵面まで同じ。
一夜明け、新聞各紙のコラムを読んでみても、各社を代表する達意の文章家が数々の比喩を引き、その〃非〃を難じている。誤解を恐れずに言うなら、これほど書きやすい〃題材〃はなかろう、と思う。
なぜなら、冒頭述べているように「皆が皆、恥ずかしい。情けない…」とタメ息が漏れるような会見内容であったからだ。確かに、一国を代表する大臣にあるまじき〃愚行〃だった。ましてや、「百年に一度」と言われる経済危機の対策を話し合う大事な国際会議の延長線上で…。
総理の判断ミス、当人の往生際の悪さも〃集中放火〃を浴びた一因だ。結果から考えれば、当然である。ただ、事はそれだけで足りるのか?何度も言う。これは誰しも「そうだ!!」としか言わない「極めて書きやすいニュース」である。
顔の知れたキャスターやコメンテーターが「今この瞬間にも職を失くした人々が路頭で迷っている。なのに、担当大臣ともあろうものが…」などと眉間に皺を寄せては、視聴者に秋波を送る。今や日常茶飯事の光景である。
正直に言うが、筆者はこうした「テレビ的なニュース仕立て」を常々疑問に思っている。悲惨な事件や事故の話題を、時に深刻な表情で怒ったり、悲しんだりしたとしても、「では次のコーナーに行きましょう」と軽く言った途端に、〃電波芸者〃と化す。
そんなに世間の事が心配なら、顔の売れた貴方が〃政治家〃になって、どうかこの国を立て直してほしい。時に、そういう思いすらする。が、彼らは〃絶対〃と言っていいほどそんなリスクは負わない。実入りがいい〃評論家的立場〃ほどご機嫌な商売はない、と知悉しているから。
昨夜は〃酔いどれ大臣〃のお蔭で、クリントン米国務長官来日のニュースは二番手扱いであった。また、辞任騒ぎの渦中ではあったが、総理との晩餐会に続いて民主党代表との会合も持たれた、という。
混沌とした政局の行方とも相まって、以前、諫早商工会議所主催の講演会で聴いた、野中広務元自民党幹事長ご指摘の「小沢-米国ライン」の動向も気になるところ、だ。
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