2009/02/20

梅と日本人の関係は?…鍋島邸のヒカンザクラ満開

‐株式会社ケーブルテレビジョン専務 清水眞守‐

先週末、家族で雲仙市国見町の神代小路(こうじろくうじ)にある「鍋島邸」を訪ねた。母の誕生日を祝した、ささやかな〃小旅行〃であった。

その前に、島原城内の「古野梅園」の見物にも出かけたが、こちらはいささか〃盛り〃を過ぎた感があった。それでも市を挙げて取り組んでいる「ひなめぐり企画」の効果か、多くの観光客で賑わっていた。

ことしは都合三回、島原城の梅を見物した。堀端から眺めると、八尾病院前が天守閣撮影のベストポイントだが、いったん城内に入れば、対角線上の高台にある「古野梅園」がその役目を果たす。

一年ほど前の本欄でも書かせていただいたが、梅にはある種の〃毒素〃があって、花の季節にそれを浴びると、向こう一年間を〃無病息災〃で乗り切れる、という。

その伝でいけば、ことしはもう三回も浴びたのだから、きっと病気などすまいと思い込んでいたら、週明けには、さっそく風邪をひいてしまった。

梅は桜に比べて〃華やかさ〃の点では劣るが、ミツバチの邪魔をしないようそっと鼻先を近づけると、得も言えない芳しい香りが漂ってくる。ホッと安らぎを覚える瞬間でもある。

踵(きびす)をかえして、白亜五層建ての天守閣に向き直る。何とも絵になる立ち姿である。女性に喩えるなら〃島原美人〃の象徴であろうか。

一方の「鍋島邸」。駐車場を降りるとすぐ、満開のヒカンザクラが出迎えてくれた。赤みの強い重量感のある花びらは、一瞬、紅梅とも見間違うかのような雰囲気をたたえている。

拝観料200円を払って久しぶりに邸内に入った。相変わらず、手入れが良く行き届いている。築山(つきやま)の上り口のシダレウメの艶やかさに目が釘付けとなった。

築山の高みから再び邸内に視線を移すと、普段は人目につかない中庭には、これまた見事な紅白梅のカップリング。思わずシャッターを押した。

今週末(21~22日)には、各種のイベントも予定されているそうだから、時間のある方は是非お出かけされてはいかがか。天候に恵まれさえすれば、この季節、最高の行楽となること請け合いだ。

ところで、梅は桜と並んで、日本を代表する「春の花」であるが、なぜこれほどまでに「日本人の心」を捉えて離さないのだろうか。我々のDNAに組み込まれている菅原道真公への〃思慕の念〃だろうか。

これはまったく個人的な思い込みで恐縮だが、「日の丸」(国旗)や「祝い事」を表す際の「紅&白」という配色の妙にも、深く関わり合っているような気がしてならない。いかがだろうか…。

【訂正】昨報で「集中放火」とあるのは「集中砲火」の誤りでした。お詫びして訂正します。


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