2009/02/25

秩父「羊山」に倣って…みんなで創ろう「芝桜公園」

‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

「芝桜公園をつくる会」(足立進一会長)がこのほど発足し、団体・個人向けに分けて「募金」の協力を呼びかけている。前者が一口=一万円以上。後者は一口=千円から。

植栽場所として予定されているのは、県道・愛野島原線にほど近い「締切堤防内」の約1200平方メートル。災害前に第四小学校折橋分校があった付近だ。

計画では、来月の3月15日の午前10時に現地に集合して、2万5千株を植えようとしている。趣旨に賛同される方は十八、親和両行の指定口座まで。詳しくは、島原温泉観光協会内にある同会事務局(電話62-3986)へ。

足立会長が目指そうとしているのは、埼玉県秩父市の「羊山(ひつじやま)公園」。そこでは、30ヘクタール以上の広大な敷地の約3分の2を使って、40万株もの色鮮やかな芝桜が植えられている、という。

計画が持ち上がったのは平成9年2月と言うから、今からちょうど12年前のことだ。母胎となったのは、地元の「活性化検討プロジェクトチーム」。

その活動は年を追うごとに地中深く〃根付き〃始め、平成15年度には「彩の国さいたま景観賞」(みどりの特別賞)を受賞。また同年、日本観光協会の「花の観光地づくり大賞」(フラワーツーリズム賞)にも選ばれている。

前置きが長くなってしまったが、先週末、上京の機会を利用して、現地を訪れてきた。西武池袋線の特急列車に乗って、約1時間20分。

7両編成の指定列車だったが、乗客の姿はまばらでいささか〃肩透かし〃の感。冬枯れの武蔵野の大地を抜け、秩父の奥深く入っていくと、車窓からは雪景色が見えた。

実は、「羊山公園」を訪ねるのは2度目である。前回は5年ほど前、JR線を使って「藤棚」で有名な寄居を経由した旅だった。時期的には5月の中旬!?初めて見た芝桜の花園は、圧巻だった。

その装いはまさしく〃花の絨毯〃。列車に乗って、或いは車を駆って、これだけの人々が訪れるのも〃むべなるかな〃と実感したことを良く覚えている。

今回訪れた秩父の駅前には、客待ちのタクシーが列をなして並んでいたが、利用者はほとんどなく、帽子をかぶった運転手さんも一様に手持ち無沙汰な表情を浮かべていた。

近くの観光案内所に立ち寄って「羊山」までの道筋を聞いた。「ここから真っ直ぐ、歩いて20分ほどで着きますけど、まだ誰もいませんよ」。そっけない言い回しだった。

昼時だったので、「秩父そば」と看板を掲げた食堂に入った。サービスの田楽を肴に、地酒を一杯。「もう間もなくです。4月になればお客さんがワンサカやって来ます!!」。是非、島原もあやかりたいと思った。