2009/03/05

3月3日は「耳の日」…覚悟を決めてミミガーに

‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

野暮用に追われているうちに「弥生」(3月)に入った。気付けば早4日である。もとより〃女の子〃に恵まれない性質なので、3日の「雛祭り」には余りご縁がない。それより3月3日は語呂合わせで「耳の日」とされている。

学研版『年中行事・記念日事典』によれば、日本耳鼻咽喉学会が制定したのが、昭和31年のこと。もっとも最近では、「鼻炎」の関係で「耳」より「鼻」に注目が集まる。

そう言えば昔、E・H・エリックというタレントがいて、テレビで「耳たぶ」を自在に動かしては、世間を喜ばせていたが、実は小生も練習に練習を重ねて、その「技」をマスターしているのだ。

当然、今でも簡単に出来るのだが、「だから」と言って何の得にもならない。せいぜい酒席での「お笑い芸」の一つに過ぎない。

氏の弟が映画俳優だった岡田眞澄。ネットで調べてみたら、二人ともすでに鬼籍入り。それにしても、氏が「アムウェイ」の広告塔を長年務めていたとは、つゆ知らなかった。

さて「耳」の話に戻ると、「馬の耳に念仏」とは、いくら言って聞かせても、当人は何とも感じず、まるっきり効き目のないことの例え。同義語に「犬に論語」「蛙の面に水」などがある。

ところが、伝える相手が人間に代わると、「しっかりと聞こえる」というから不思議だ。第百四十回の直木賞を受賞した天童荒太さんの作品『悼む人』でもハッキリとそう書かれているし、脳医学関連の本にも同趣旨の記述がある。

だとすれば、通夜の席などで故人の「悪口」などは厳に慎まないといけない。根に持たれて化けてこられたら大変だ。ひたすら「成仏」を唱えるに限る!!

耳バージョンの諺とは全然関係ないが、沖縄料理に「豚の耳」(ミミガー)というのがあった。軟骨をポン酢で食べたりするが、コリコリとした歯ごたえは左党にはたまらない。

でもやっぱり、「豚」ときたら「真珠」を忘れるわけにはいかない。間に「に」を入れると、「馬の耳に念仏」とほぼ同じ意味になるが、こちらの語源は新約聖書・マタイによる福音書ということらしい。

さてこの季節、葬儀にかかわらず、色んな式場で「真珠」をめされたご婦人を見かける機会も多い。喪服などの黒を基調とした礼服は、その人をして一番美しく見せるものだ、と言われているが、必ずしもそうとは限らない。

事実、中にはいるのだ。「○○に真珠」としか言いようのない雰囲気の方が。それでもご本人は楚々たる振る舞い。悪くはない。間違ってもいない。ただユーモラスなだけである。

こんなこと「口が裂けても言えない」と思っていたが、締め切り時間に追われて、指先が勝手に動いてしまった。これはもう、覚悟して「ミミガー」の材料になるしかない!!