「iPod」にハマる…自らの〃内なる声〃を聞け!!
‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐
仕事部屋は西向きで、冬の午前中は〃冷え込み〃がきつい。その分、午後からはちょうど良い〃陽気〃となるのだが、夏場の日射しの長さには閉口する。
7年ほど前からお世話になっているNTT島原ビルは堅固な造りで、コンクリート壁の厚さは格別だ。ちょっと提げ物用の釘穴を開けようと思っても、普通の工事用ドリルではとても歯が立つものではない。
建築の専門家に言わせると、「島原市内では最も地震災害に強い建物」との評価だ。それにしても空調の音がやかましい。神経質な性格(?)のせいか、いったん気になりだすと落ち着きを失くしてしまう。
ただ最近になって、心強い〃味方〃が登場してくれた。「iPod」という携帯用の音楽プレーヤーだ。元は里帰りした長男にせびられて買い与えたものだが、新機種を先輩に貰ったとかで、「お父さん、これやるよ」と再び下賜された。
ところが、貰いはしたものの〃使い方〃が皆目分からない。恥をしのんで社員に聞いてみたら、「随分型落ちの商品ですね…」と一瞥した後で、いとも手際よく聴けるようにセットをしてくれた。
今ではすっかりこれにハマってしまって、朝から晩までモーツァルトに浸り切っている。小ぶりなイヤホーンを両耳に差し込むだけで、空調を始めとした雑音の類いも一切シャットアウト。重宝この上ない。
この〃万能プレーヤー〃を世に送り出したのは、他でもない〃天才経営者〃スティーブ・ジョブズだ。一九五五年生まれ。21歳。余談だが、マイクロソフトの創始者ビル・ゲイツもこの年に生まれている。
20代初めにアップル社を創設。若くして大富豪の地位を射止めるが、余りの傲慢ぶりを周囲に咎められ、30歳で失脚。新たに始めた事業もなかなか日の目を見なかった。
復活を遂げたのは40代になってから。「iMac」で地歩を固め、「iPod」の発売(二〇〇一年)で再び世界を席巻する。通常「ここまでの段階」でその成功譚は完結するのだが、さらなる〃ドラマ〃が待ち受けていた。
二〇〇四年、ジョブスは膵臓ガンの診断を下され、「余命3か月から6か月」という宣告を受ける。が、天才の天才たる所以がここから始まる。なんと、術後1か月で現場復帰を果たしてしまうのだ。
生き返ったジョブスはスタンフォード大学で行った卒業記念講演の中で次のように語っている - 「人生には3つしかない。1つは生まれること。2つ目は死ぬこと。この2項は思いのままにならない。だが、生きることは思い通りに出来る」。つまりは「自らの内なる声を聞け!!」と。
天才ジョブスが開発した音響機器で、天才モーツァルトの作品を聴く凡人。何だか可笑しくもあるが、勇気もまた湧いてくる。
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