2009/04/11

余りにドタバタし過ぎ!!…NHK朝の連ドラ『つばさ』

‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

NHK朝の連続ドラマ『つばさ』が始まって早くも2週間が経過したが、どうにもイケナイ。と言うより朝から〃馬鹿騒ぎ〃をし過ぎである。

中でもヒロインの母親役の高畑淳子(たかはた・あつこ)さんの動きが突出している。主婦の立場もわきまえず、突然家出して、「祭り」の季節になったら帰ってくるという〃筋立て〃そのものに、そもそも無理がある。

制作者の狙いは、こうした不景気なご時勢だからこそ「豪快に笑い飛ばそう!!」というところだろうが、残念ながら「過ぎたるは何とやら…」である。

たまたま西城秀樹の姿を見かけた時に、何の脈絡もないが、『寺内貫太郎一家』(TBS)とイメージがかぶってしまったのは、筆者だけだろうか…。

『寺内―』を手がけたのは、往年の名演出家だった久世光彦(くぜ・てるひこ)さん。脚本家の向田邦子(むこうだ・くにこ)さんとコンビを組んで『七人の孫』や『時間ですよ』など数々のヒット作を世に送り込んだ〃鬼才〃である。

また、達意の文章家としても知られ、森繁久彌さんの晩年の暮らしぶりを軽快なタッチでルポした『大遺言書』は週刊新潮の名物コーナーであったが、姿を消して久しい。ところで、森繁さんはお元気なのだろうか…。

閑話休題。『つばさ』はいよいよ来週から本題の「コミュニティFM編」に入っていきそうなので、再度、気を取り直して観ることにしよう!!

ただ、クドイようだが、今のままの〃路線〃で突き進めば、間違いなく失敗する。業界人の一人としてクレグレもそうした事態だけは避けてほしい。

頼みますよ!!大NHKさん。いくら篤姫の義母役の評判が高かったからと言って、何でもかんでもその〃枠〃に当て嵌(は)めようという発想は、余りにも安直ですバイ。

柳の下にそうそう2匹目のドジョウはいませんよ。筆者自身、決して高畑さんが嫌いな女優というわけではない。むしろ好きな方である。

何と言っても出身地が香川という点が素晴らしい?それに美形ではあるが、やたらと顔がでかいというのも〃親近感〃が持てる。

四国では「東男に京女」という言葉をもじって、「讃岐男と阿波女」という言い回しがある。ウーン、高畑さんの顔のつくりは、どう見ても〃男〃である。

恐らく、素顔もサバサバとした男っぽい性格の方だろう。それ故にテレビ関係者からも引っ張りだことなるのだろうが、朝っぱらからあの〃ドタバタ劇〃はいただけない。

『おはなはん』(昭和41年)以来の歴史あるドラマである。もう少しじっくりと鑑賞できるような、落ち着きのある内容であってほしい。