値段を科学しよう!?…納得できるか商売上の数式
-株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐
大手牛丼チェーンの島原店オープンを知らせるチラシを見て、さっそく駆け付けた。温玉付のカレー丼が一皿299円、と確かに安い。
世の中は今、業種を問わずの〃安値乱売合戦〃のようだ。テレビでは、「タスポ効果」によるコンビニ業界の好決算の発表と併せて300円を切る新弁当のメニューを紹介していた。
先日の日曜日、我が家の夕食は「ほか弁」であった。電話で注文したのは「鶏の唐揚げ弁当」×2と、「カツ丼」、そして「のりタルタル弁当」に「特のりタル弁当」の都合5個。母は町内の花見とやらに出かけて居なかった。
特段、気にする話でもないのだが、「のりタルタル」と「特のりタル」の間に横たわる〃違い〃に自然目が向いた。値段は、前者が310円であるのに対し、後者は390円。
その差「80円」の間に一体何が隠されているのだろうか…?のり飯の上に載っている〃揚げ物〃にしばし注目した。
まず「のりタル - 」のそれは、竹輪を半分に切って揚げたのと白身フライ、それにタクワンとキンピラゴボウが少々。
対する「特のり - 」では、白身魚やタクワンなどは同じだったが、竹輪がメンチカツに代わり、鶏の唐揚げが加わっていた。
つまり、ここで自信を持って言えるのは、「メンチ+唐揚げ-竹輪=80円」という〃商売上〃の数式が厳然として成り立っている、ということである。
あーそれから、誤解のないように言っておかねばならないが、「タルタル」と「タル」の違いは、別段前者の方に「タルタルソース」が二倍付いているという意味ではない。
まあ、「値段の打ち出し方」というのは、簡単なようで、とても難しい。余りにも馬鹿正直に「正価」を付ければ、顧客は寄り付かなくなる。
かと言って、集客を当て込んでわざとらしく「見た目」ばかりを安くしても、いずれその「ウソ」はばれる。その兼ね合いが難しいのだ。
先日、諫早市内のとある中華屋さんに寄って、家族4人で晩飯を食べた。メニューを見ると、「海鮮ラーメン」と「特別海鮮ラーメン」というのがあった。
その違いを確かめようと、それぞれを一杯ずつ注文した。先に運ばれてきたのは「海鮮 - 」。スープの味はまあまあ。そうこうしているうちに「特別海鮮 - 」もやって来た。
メニュー写真と比較しながら麺上のトッピングを精査。結果、分かったことは、500円強もの値段の違いは、カニとクルマエビ数匹分にしか過ぎなかったのだ。
何だか、騙された気分にもなったが、お店の人は喜んだであろう。これからは「もっと値段を科学することにしよう!!」と深く反省した次第。
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