今日が「八十八夜」…茶の道は世界へと通じる
‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐
「八十八夜」に関しては、だいたい「新暦の5月2日ごろ」と言われているから、さしずめ今日がその日に当たる。
〈♪夏も近づく八十八夜 野にも山にも若葉が茂る あれに見えるは茶摘じゃないか 茜襷(あかね・だすき)に 菅(すげ)の笠♪〉
〃唱歌〃として親しまれた『茶摘』の一節だが、かつて島原の〃茶所〃として知られた千本木地区は今次の噴火災害でその姿を大きく変えてしまった。
その地で生まれ育った人々にとっては、移転から何年が経とうとも、複雑な思いを拭い去ることは到底不可能なことだろう。
筆者も災害前の長閑な山村風景や、茶摘の様子を幾度となく取材した経験があるだけに、いまだに信じ難い思いを捨て去ること出来ないでいる。
「煎茶」の文化を日本に持ち込んだのは黄檗(おうばく)宗の始祖、隠元禅師と言われている。少し調べてみたら、この方は17世紀半ばに来日されているようだ。
とすれば、それ以前の日本人は、「酒」以外には「水」か「白湯」(さゆ)しか飲んでいなかったのだろうか…。実に他愛もない疑問ではあるが、ほかに何も思いつかない。
また、長いこと疑問に思っていたことは「お茶の木の種類」について。正直、筆者は「緑茶の木」「紅茶の木」「烏龍茶の木」などと別々の品種があるものとばかり思い込んでいた。本当に、つい最近まで!!
ところが、それが大きな「僻(ひが)覚え」であったことを誰かに知らされて、赤っ恥をかいてしまったのである。
ノンフィクションライターの沢木耕太郎さんの作品に『深夜特急』という実に面白い〃紀行文〃があるが、そのモチーフの1つになっているのが、ほかでもない「茶」。
主人公(沢木さん)は路線バスを乗り継いで、インドのデリーから中近東を経て、ヨーロッパ、イギリスを目指す。
もう随分前に読んだ本なので詳細は忘れてしまったが、「茶」(TYA)という響きはある意味〃万国共通〃である、と。その証拠に、アフガニスタン辺りでは「チャーイ」とも言うし、英語の「ティ」もフランス語の「テ」も何となく似通っている。
言語学的な知識など一切持ち合わせていないので、本当のところは何が何だか分からないのであるが、一服の「お茶」が醸し出す想像の世界は、何とも愉快ではないか!?
これにはお金もそうかからないし、新型インフルエンザの心配もない。最近では「茶」を原料にした消臭剤やオーデコロンの開発も盛んなようで、まさに「お茶様々」である。
連休を前にして、指の赴くままに、また駄文を打ち込んでしまった。こう言うのを「お茶にごし」と呼ぶ。それでは皆様、佳き休日を!!
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