2009/05/07

社員の頑張りに深謝!!…勝さん・西郷ドンに比べたら…

‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

いかがでしたか皆様、今年のゴールデンウイークは?久々の正式出社後に「日報」を見てみると、「休日出勤」の社員数の多いこと。仕事柄、仕方のないこととはいえ、頭の下がる思いだ。ご苦労様!!

そうした社員スタッフの頑張りの影で、筆者は存分に〃英気〃を養わせていただいた。まず、読みかけだった半藤一利作『幕末史』(新潮社)を一挙に読破した。面白かった。

半藤さんは編集者の出身で、文藝春秋社の取締役などを歴任した人。前々からお名前だけは存じ上げていたが、著作を読むのは初めてだった。

著者によると、同書は昨年開かれた、社会人向けの「慶應丸の内シティキャンパス」での特別講座を、講談&人情噺調にまとめたもので、維新当時の歴史のダイナミズムが生き生きと伝わってくる。

何よりその〃裏話〃が面白い。ともすれば、幕末以来の歴史を「薩長史観」でしか見ようとしていない、我々現代社会への痛烈な批判(風刺)という気がしないでもない。いや、きっとそうだろう。

時あたかも、来年はNHK大河ドラマが『龍馬伝』の年である。主役の坂本龍馬には、長崎出身の福山雅治が抜擢されることになっており、県内ではすでに〃観光振興〃のためのブーム作りに向けて、随所で動きが活発だ。

島原半島でも、豊後路から長崎へと向かう途中の龍馬の〃足跡〃をマップに記すなどの受け入れ作業が進められているようだ。昨年の『篤姫効果』(鹿児島)の二番煎じがしないでもないが、ご当地としては至極当然の動きであるし、官民挙げて盛り上げていく必要もあろう。

ただ、半藤さんに言わせると、余りにも龍馬の存在を過大視することは、些か〃史実〃とかけ外れてしまいかねないとも…(詳しくは同書に記載)。

誤解を恐れずに述べるなら、どうやら半藤さん好みの人物は勝海舟と西郷隆盛のようだ。その分、かなりの〃紙幅〃も割いてあるし、素人読者にもその思いが伝わってくる。

そうそう西郷さんで思い出したが、今でも鹿児島では圧倒的な〃人気〃を誇っている。彼の地の同業者に聞いた話だが、盟友だった大久保利通候は不人気の極みで、地元に残った親類縁者には、つい最近まで米や味噌などは卸されなかったそうだ。

一方、勝さんの評価は〃手放し〃と言ってよい。滅び行く徳川幕府の最期を、肝力をもって見届けただけでなく、確かな〃国家観〃で今日の「日本」という国の基礎を造り上げた、と。

歴史は見る角度によって大きく異なる。ただ、半藤さんの説に従えば、福澤諭吉(慶應大学創始者)も大隈重信(早稲田同)も、勝&西郷にはとても及びも付かない〃小粒〃なのである。況や - 。