臍(ほぞ)を噛むのは止めよう…島原半島は九州のヘソである
‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐
昨日は肥り過ぎが原因(?)で「つい口中の贅肉を噛んでしまう」というバカ話を書いてしまったのだが(どうにもワンパターンだなぁー)、今日は「臍(ほぞ)を噛む」という話から始めてみっか!!
説明するまでもなく「臍」というのは「ヘソ」のことで、自分の口では自分のヘソは噛めないから転じて、どう悔やんでもみても及ばぬこと。即ち、「後悔」の喩えだという。
同じく「臍」を使った諺に「臍を固める」というのがあるが、こちらは「腹を括(くく)る」とほぼ同義語で、堅く覚悟を決める際に用いる。
ヘソで思い出すのは、旧国見町長だった松尾耕之助さん(故人)が盛んに強調していた「皆さん、島原半島は九州のヘソなんですよ!!」という説。
最初に聞いた時は何のことやらサッパリ分からなかったが、「西の五島列島から北の対馬、南の大東諸島まで加えて、その枠に線を引いてごらんなさい。真ん中にくるのは島原半島ですから」との説明を受け、ようやく納得がいった。
なるほど、その伝でいけば、先ごろ愛野町の馬鈴薯畑で行われた「ジャガチュー」の企画はさらに面白みを増す。今後の発展にさらに期待しよう!!
生物は口から栄養を摂取できるようになれば、ヘソは〃無用の長物〃と化すが、何せそれまでは母体とつながる大切な、大切な〃命の絆〃である。ゆめゆめ疎かにできるものでもないし、またしてはならない。
それを称して医学用語では「臍帯」(さいたい)と言うのだそうだが、所謂「ヘソの緒」のこと。最近ではそれから取り出した「臍帯血」が白血病の治療にも役立っていると聞いて、生命の神秘さを思う。
ところで、吉沢やすみ作の漫画『ど根性ガエル』の主人公・ぴょん吉には確かヘソがなかったのではないか?まあ、どうでもいいことだが、五十路を超えた今でも登場人物の名前がスラスラ出てくるくらいだから、やはり相当な傑作であることに間違いない。
筆者が好きだったのは鮨屋の梅さん。よし子先生が大好きなのだが、一本気な性格が災いして、なかなか恋が成就しない。それでも諦めないで前向きにアタックを続ける姿には、勇気づけられるものがある。
同じく下町を舞台にした作品に秋本治さんの『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(略称・こち亀)があるが、主人公の両さんも似たようなキャラクターで大好きな男である。
ところで、腹回りが1㍍を超えると、ヘソの在り処(か)どころか〃同級生の息子〃を見つけるのにも随分と苦労する。これではもう、臍を噛もうにも噛みようがないではないか!?
梅さんも、両さんも失敗続きの人生だが、決して後悔しないところが素晴らしい。皆さんも臍を噛むのは止めにしましょう!!
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