迷路に入った絶対論議…「横にして流されず」の精神で
‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐
昔、あるラジオ局が子供向けに「サンタさんに手紙を書こう」というキャンペーンをやっていたら、「サンタクロースなどこの世の何処にも存在しないのに、ウソを言うな」という苦情が舞い込んだ。
その時の局側の反論が面白かったので、紹介しておく。「そうおっしゃいますが、サンタクロースが絶対に居ないという証明ができますか」と。
昨報の「絶対」にまつわる筆者の「グダグダ言い訳」に対して、梅林次生先生から「お叱り」の電話をいただいた。直接受けたわけではないので、詳細は分からないが、「絶対は確かに存在する」との由。
安養寺の檀信徒として、ネパール等への紀行を重ねられている同先生は、仏典を元に「生あるものは必ず死す」と、「絶対の存在」を強調されたそうだ。
いやはや手慰みで書いた拙文に対して、それほど大上段に構えられると、うろたえてしまうが、少しだけ反論させていただくなら、「不老長寿の妙薬が絶対に開発されない」との証明も出来ないでしょう?
ここまで来ると、冒頭の「サンタさん論議」のようなもので、双方が納得できるような〃正解〃を導き出すことは極めて困難である。故に「絶対は存在しない」と筆者は考える。従って、これ以上議論を重ねてもエネルギーを消耗するばかりなので、もう止めましょうや、梅林先生!!
話は変わって、横田島原市長が6月3日の「いのりの日」に市内に居なかったことに対して、各紙の論調が喧しい。皮切りは2日付の読売新聞だった。
その読売は、5日付の一面コラムで「横」という漢字を取り上げ、「かわいそうな字である」として、「横暴」「横車」「横着」…など否定的な使い方で、日本郵政の社長人事問題を皮肉っている。
しかしながら、この書き方では、横田さんや横山さんのように名前に「横」が付く人は余りにも可哀そうだ。縦と横、男と女…。世の中すべて〃真反対〃の要素で成り立っている。
実は、普賢岳の噴火災害がまだ激しかった頃に今回と似たような事例があった。その時は西日本新聞が当時の高田知事の行動をヤリ玉に挙げた。
その高田知事は横田市長が県職員時代に仕えた直属の上司。よもや今回の政治判断が〃高田流〃に倣ったものではないだろうが、奇しくも、同じよう騒ぎを巻き起こしている。
ただ、冷静になって考えてみれば、復旧から復興への大きな道筋をつくった「立役者」は、他ならぬ高田知事であり、誰しもそのことに異論はあるまい。
出典も、正確な読み方も忘れたが「横にして流されず」(?)という言葉がある。横田市長には、高田知事や鐘ヶ江&吉岡の両先輩市長が紡いだ「縦糸」に、地域繁栄の「横糸」を力強く織り込んでいってほしい。
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