2009/06/08

そこに山があるから…「サガルマータ」て何だ?

‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

「そこに山があるから」 - 。イギリスの登山家マロリーは「なぜエベレストを目指すのか?」という問いかけに対して、そう答えたという。真偽のほどは定かでないが、その命日は85年前の今日(6月8日)とされている。

遺体は死後75年が経過した1999年5月1日に、山頂付近で発見されている。何とも〃謎〃に包まれた生涯ではないか。

ご存知「エベレスト」(英名)は、登山家すべてが憧れる世界最高峰だ。標高8844メートルは富士山の3776メートルとともに深く脳裏に刻み込まれた数字で、今でも良く覚えている。

近頃はチベット語の「チョモランマ」という名前も普及してきたが、ネパールでは「サガルマータ」という呼び名だと聞いて、そのユーモラスな〃響き〃に思わずほくそ笑んでしまった。

世界の話はさて置くとして、我が島原半島住民にとっての「古里の山」は雲仙岳である。ただ、そうは言っても、実際に「雲仙」という山は存在せず、あくまでも〃総称〃として使われているのだが…。

では、諫早住民にとってはどうかと問えば、やはりその対象は「多良岳」ということになろう。その「多良岳」に昨日(7日)登ってきた。

きっかけは「そこに山があるから」 - といったような哲学的な要素など微塵もない。前夜、どうしても盾(たて)をつくことのできない先輩ご両人に呼び出されて〃同行〃を余儀なくされたのだ。

とは言っても、最近ではこの方々のおかげで「山登り」(登山と言うには余りにもおこがましい)の面白みも分かりつつあるので、嬉々として参加させていただいた。

一行は、下は就学前の幼児から上は60歳代のセミプロまで、合わせて10人。国立青少年自然の家からさらに林道を30分ほど入った所を起点に、往復で3時間ほどをかけて金泉寺、国見岳、多良岳を踏破した。

山頂からは有明海が一望できたが、あいにくの曇り空で、島原半島の輪郭はうっすら。逆に、諫早・大村側の多良山系の在り様は手に取るように分かった。

「そうか、あのテレビ塔が何本も建っているのが五家原か」などと感動しつつ、今月が「電波の日」(1日)から始まる「情報通信月間」であることを思い出したりした。

標高的には、1300メートル級の普賢岳などと比べるとやや格落ちの感が否めないが、岩肌がむき出しになった隘路(あいろ)や石仏などがあって、また違った〃魅力〃に溢れている。

今、山登りで痺れが残る両脚を擦りながら、「なぜ毎日飽きもせず、そんな下手糞な原稿を書くの?」。そう自問しながら拙文をしたためている。

誠にベタな結びで恐縮だが、「そこに締切が迫っているから」。嗚呼、恥ずかしい!!