2009/06/26

もう、きみには頼まない…政治屋の態度豹変にビックリ

‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

「正直が一番!!」と叫んでいるお方が本当に正直なのかどうか、正直なところ分からないが、関西弁で「世の中ゼニやでー」とうそぶかれれば、妙に納得してしまうのも〃人情〃というものだ。

その「ゼニ」の話を取り上げた、映画『ハゲタカ』を観てきた。この作品のモデルとされた会社に、ちょっとした知り合いがいて「是非とも観てね!!」と勧められていたからだ。

面白かった!!何より、主役の大森南朋(なお)がカッコよかった。映画は観てのお楽しみだから筋書きを記すのは避けるが、最終章近くでお金を石油缶で燃やすシーン(中国ロケ)があり、その際のセリフの凄みに唸った。

〈中国では、死者があの世で迷わないよう、こうして実際のお金を火にくべる風習がある。人生を良くするのも、悪くするのも、すべてはお金である〉 - 。正確ではないにせよ、そうした趣旨の発言だった。

本当にそうだ、と思う。お金は無さ過ぎても困るし、かと言って有り余れば後々に禍根を残すことにも成りかねない。鑑賞後、改めてそう実感した。

こんな事を書くと「わかった風な口を…」などと、ご批判の言葉を頂戴するのももっともなことで、反論の余地などない。何せ、本当の「金欠」も「金余り」も経験がない。

まあ、庶民と言うか、大概の人間はそうだろうから、特段、気に病むこともあるまい。ただ、金や名誉に目が眩んで、ふんぞり返っている政治屋さんはいただけない。

人間の本当の思いは、まず言葉の端々に出る。この間まで丁寧な物腰だった人物から、突然、別人かと見間違うかのような〃横柄な態度〃を見せつけられた。つい先日のことだ。

元来が短気な方だから腹が立って仕方がなかったのだが、相手はある意味権力者(?)。怒っても大人げないので、自らを慰撫することで収めた。

そんな時思い出すのが、かつて経団連会長を務め「財界総理」とも呼ばれた石坂泰三さんが吐いたという「もう、きみには頼まない」との切り捨て言葉。

この言葉は、日本で初めての「万国博覧会」(1970年・大阪)の会長を拝命した石坂さんが、余りに動きの鈍い役人に対して発したとされ、城山三郎さんの本にもなっている。

勝手な思い込みながら、筆者はこの言葉を自らの「金科玉条」としている。本当は頼まないでも出来ることでも、チームワークを重視する立場から、まずはお願いしてやらせてみる。

ところが中には、そうした思いに冷水を浴びせかけるような、思慮に欠けた行動に走ってしまうような輩もいる。そんな時、心の中でひっそり呟くのが、この言葉である。

どうも件の政治屋さんは「威厳」と「虚勢」の意味を履き違えておられるようだ。くれぐれも〃ご自愛〃のほどを…。