ターニングポイント余談…〃俳優〃に成りそこねた本多会長
‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐
痛い!!頭が割れるほど痛い。昨夜、懸案の『ターニングポイント』の放送を終えてほぼ一週間ぶりに痛飲したのが原因だ。それにしても、本多邦年さん(島原ライオンズクラブ会長)は面白かった。お話を聞いていて、思い立ったらすぐ行動に移す、典型的な直情径行型の人間だと思った。
何より笑ったのは、新宿ルイードに出演していた折に(27歳の頃)、ピンク映画界の巨匠・山本晋也監督にスカウト(?)されかかったエピソード。
「ねー本多君、僕の映画に出てくれない?売れないフォーク歌手という役柄で…」。本多さんは一瞬迷ったが、「このまま日活のロマンポルノに出てしまっては、両親や妻子の待つ故郷に面目が立たない」と思い止まった、という。
これとは似かよった事例を、以前聞いたことがある。それは半島西部のとある高校生の話。「オイはドラマーになっと。そんためにゃ、東京に行かんば!!」。
彼は心配する同級生らの声を振り切って、学校を中途退学。スティック2本を手に、諫早駅から颯爽と東京行きの夜行列車に乗り込んだ。
ところが、待てど暮らせど音楽界から彼の名前は伝わって来ない。ある時、同級生の一人がスクリーン上で〃熱演〃する彼の姿を見つけた。いわゆる〃濡れ場〃のシーンだった。
その後、彼がどのような〃芸歴〃を重ねているのか知る由もないが、幾分ほろ苦さの残る〃人生劇場〃の1コマと言えないこともない。
ところで、山本さんと言えば、薄めの頭髪と鼻下のチョビ髭がトレードマークとなっている、やや軽めの監督さんだが、最近ではNHKのBS放送に真面目な解説者として出演するなど、なかなかの活躍ぶりなのである。
いつだったか『東京オリンピック』(記録映画)を撮った市川崑監督の特集があり、その当時の助監督時代の思い出を語っていたが、これが氏のキャラクターに似合わぬ、すこぶる感動的な話であった。
確か陸上競技の走り高跳びのシーンだったと思うが、市川監督の〃眼〃は常人とはかけ離れた、ある〃対象〃に注がれていた。それが何だったのか思い出せないのだが、「創造への執念」を垣間見て慄然としたことを覚えている。
話は変わるが、山本作品は学生時代に場末の映画館で随分と鑑賞した。一人で観るのは何となく気が引けたので、下宿仲間と連れ立って通い、大いに笑い〃想像力〃を磨いたものだ。
そこでは、土台あり得ない話を誇張しながら、ある意味〃願望〃を込めて、面白おかしく作品に仕上げていた。まあ所詮〃芸術〃とは程遠い内容ではあったが、昨今相続く大学教授や判事などの〃破廉恥事件〃の記事を見て思う - 。
ひょっとして山本監督はこの事象を〃先読み〃していたのだろうか…。まさか!?
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