今年はイクラが安い!…カラスの大軍団が鉄塔に…
‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐
イクラ(?)「カラスの勝手でしょ!」と言われても、その数たるや尋常の域を遥かに超えていた。まるで、ヒッチコックの映画『鳥』のワン・シーンを思い描いたほどだ。
当社が入居しているNTT島原ビルは5階建て。建物そのものの地上高は20メートルほどだが、その上にあるアンテナ鉄塔は台座を含めると約30メートルあり、市内でも有数の〃高層ビル〃の1つである。まあ、相当古くはあるけど…。
この鉄塔部分に最近、カラスの〃大群〃が押し寄せてきて、何ともまあオッカナ&ビックリな気分を味わっている。数えたことはないが、二百?いや三百以上かも知れない。
〃異変〃に気付いたのは先週土曜日(12日)の朝。6時半頃に会社の回りを歩いていたら、上空がやけに騒がしい。「カアー、カアー」という主旋律に混じって、ネコの雄叫びのような声も聞こえる。
まだ夜も明けきっていないので、南の空には上弦のミカヅキが不気味な光を放っている。見ているだけで気持ちが悪くなるほどだったが、余りの喧しさに30分ほど佇んでいた。
じっと観察していると、彼らには一定のグループのようなものがあって、南北東西、色んな方向から集まってくる。そして、しばらく鉄塔で「会議」のようなものをして、また散らばって行く。
ひょっとして、今まで我々が気付かなかっただけで、日常茶飯事だったのかも…。とすれば、これは人間社会における「朝礼」のようなもの?
いやいや、そんなことはあるまい!それならとっくに誰かが気付いていたはず。とすれば期末の「株主総会」…。それとも「年越し派遣村」のようなもの?くだらない妄想を膨らませていたが、そのうちに飽きて、その場を去った。
ところが週が明け、恒例の社内全体会議の後でこの事を自慢げに話していたら、休日出勤をしていた男性社員が「日曜の昼過ぎも凄かったですよ!」と、事も無げに言い放つではないか!?
おいおい、一体どうなっているんだ。「不吉の兆候」とも言われるカラスが、なんで〃徒党〃を組んでまで、我が社に押し寄せる必要があるの?かくして、この師走の忙しい時期に「不測の事態」でアタフタしているというわけだ。
ところで、冒頭に「イクラ」と、わざわざカタカナ表記しているのは、今朝(14日)テレビでやっていた「サケ豊漁」のニュースから引用させて頂いた。
それによれば、今年は例年になく「サケ」が大量に水揚げされているということで、必然的に「イクラ」も安くなっている、と。
「イクラ」と言えば、高級品。熱々のご飯に、「ウニ」と「イクラ」を半分こずつ載せた「北海丼」も、きっと今年は安くて美味いはず。カラスの野郎なんかに絶対に食わせるものか!
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