2010/01/09

鉄管ビールって何?…ぺペロンチーノの〃悲喜劇〃

‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

昨報でもお知らせした通り、CATV関係団体の「賀詞交歓会」で福岡市に来ている。昨夜は静かに中洲での「二次会」を終えたので、目覚めはいたって爽やかだ。

同業者の方が案内して下さった「ワインバー」は何ともお洒落だった。島原にもこんな店があればいいな、と思ったほど。とにかく、良い雰囲気だった。

もっとも、東京からの出張組がオゴッテくれたので、なおさらその感が強いのかも知れない。うち年かさの一人は名うての大酒飲みだが、以前からどう言う訳かウマが合う。

この先輩、時々面白い言い回しをされる。この日のお題は「鉄管ビール」。初めて聞く言葉だ。特段、ワインバーでビールを飲むこと自体、不思議ではないのだが、はて「鉄管 - 」とは一体?

もちろんウエイトレスのお嬢さんも初めて耳にする言葉らしく、キョトンとしている。その先輩は皆が驚いたことを確認した上で、悪戯っぽくタネを明かした。答えは「水道水」のことだ、という。

つまり、「鉄管」とは「水道管」のこと。答えを聞いてしまったら何のこともないが、やたらとミネラルウォーターが幅をきかせている、昨今の風潮が大嫌いなんだそうだ。

ところで、「水」と言えば、「島原」のことを忘れてもらっちゃ困る!と思いつつ、少しく語りたかったのだが、ひたすら聞き役に徹した。

と、そのうちに誰かがパスタを頼んだ。「ぺペロンチーノ」という銘柄だった。まあ、名前くらいは聞いたことはあるが、それが「イタリア産辛子」のことだとは、つゆ知らなかった。

テーブル上はひとしきり「辛味系」の話題で盛り上がった。そこでも筆者はひたすら沈黙を守った。どう、今年は随分と成長したでしょう!?

まあ、そんなことはどうでもよい。そうこうするうちに、厨房の中から、いかにも「こだわり屋」といった感じの坊主頭のマスターが、自家製のタバスコ瓶二本を携えて現れた。

「激辛ですから、十分に注意して下さい!」。そう諭されたにも拘わらず、件の先輩は料理に向けてドバドバと。表情一つ変えるわけでもない。

すると、マスターは対抗心を燃やしたのか、中から「タカのツメ」を干したような形状の原料を持ち出してきた。そしてひと言。「指先で摘んで、ほんの少しだけ振り掛けて下さいね」。

先輩はその教え通りの行動をとったのだが、汗をかくでもない。「俺はおかしいのかな…」と、時折首を傾げながら鉄管ビールをグビグビ。

だが、「異変」は時を置かずしてトイレで起きた!さんざんぺペロンチーノを弄んだ指先で己のイチモツを掴んでしまったから、さあ大変!「何だがムスコの様子が変なんだよー」。雄叫びにも、悲鳴にも聞こえた。