2010/01/20

災害から学ぶこと!!…コミュニテイFMの役割

‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

いささか書く時機を逸してしまったが、「阪神淡路大震災」から早くも15年の歳月が流れた。折も折、南米ハイチでは史上最大規模の大地震が発生し、その被害の全容は関係機関でも掴みきれないでいる。

普賢岳噴火災害を経験した、我々島原半島住民にとって、時と場所を変えては突発する自然災害の数々は決して「他人事」ではあってはならないはず!が、何とはなしに「対岸の火事」のように感じてしまうのは悲しい「人間の性(さが)」であろうか…?

以前よく交わされた会話の中に、「もし島原と神戸の順序が逆だったら」というのがあった。帰結は「もしそうだったら、国などによる救済のありようも大きく異なったはず。逆でなくて良かった」と続く。

歴史に「イフ」という設定はないのだから、双方の地とも「ありのまま」を受け入れなければならないのだが、少なくとも人間は学ばなければならない。

「阪神淡路大震災から15年」を特集した番組の中で、日本総研会長の寺島実郎さんがこんなことを言っていた。「阪神淡路と後から起きた中越などとの顕著な違いは、『携帯電話』と『コンビニ』である」と。

理路整然としたその語り口を耳にした後で「なるほど、そうか!」と合点もいったが、不遜にも「一つだけ言い忘れられている」とも感じた。それはコミュニティ・エフエム・ラジオ(CFM)の存在だ。

筆者も15年前、四国、淡路島を経由して、混乱の極にあった神戸の被災地を取材した経験がある。目的は現地のCATV局がどんな役割を果たしているか、を知ることにあった。

そこで分かったのは「身近な情報発信源」としてCATVが被災住民の間で重宝がられていたこと。それと併せて、自然発生的に立ち上がった臨時のミニFM局の活躍ぶりだった。

それから10年近くが過ぎ、今度は新潟県の中越地方で地震災害が発生した。筆者も仕事の関係で現地のCFM局(長岡、十日町)を幾度となく訪れているが、「災害時に一番役立つメディアは?」というアンケートでは、CFMが圧倒的な支持を得ている。これは紛れもない事実だ!

幸い、島原市では前・吉岡、現・横田両市長の強力な施政方針のもと、CFMの機能を活用した「安心&安全の街づくり」が進展しており、放送が聞き取りにくい一部地域の「不感地帯」の問題も間もなく解消される。

いつ、どこで起こるかわからない自然災害。発生の順序は神のみぞ知る「聖域」であるが、少なくとも備えておく必要はある。

歴史的な長期大規模災害から多くのことを学んだ以上、その対応(ノウハウ)を他所にも伝えていくのは当然の義務、と考える。

今日(20日)の「ターニングポイント」のゲストには、井上義明消防長をお迎えする。