新橋・有薫酒蔵(ゆうくんさかぐら)に思う…高校よせがきノートの店
‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐
サラリーマン諸氏のオアシス、東京・新橋の駅前に、その居酒屋はあった。某都銀の支店が入っている、雑居ビルの地下1階。どこにでもあるような、何の変哲もない構えだ。
ところが、この店が今、静かなブームを巻き起こしつつある。店の名前は「有薫酒蔵」と言い、九州各県の郷土料理の数々を楽しむことが出来る。
誤解を恐れずに言えば、その程度の店は、花の「お江戸」には掃いて捨てるくらいある。では一体なぜ、この店が注目を集めているのか? - というのが今日のお題。
ズバリ!同店最大の売りは「高校よせがきノート」。全国にどれほどの高校があるのか知らないが、現在までに集まったノートの数は1200余冊。それぞれに背表紙を付けハードカバーで製本してあり、さながらその光景は図書館のよう。
筆者は先週末上京した折に、古くからの友人を伴ってその店を訪問した。まだ早い時間帯であったが、店内はネクタイの結び目をだらしなく緩めた赤ら顔のオジさんらで賑っていた。
お品書きを見ると、確かに九州の郷土料理がずらりと並んでいる。手始めに「からし大根」を注文。ついで「さつま揚げ」を頼んだが、これがすこぶる甘くて、早々に箸を置いた。もとより「目的」は他にあったから、料理の嗜好(しこう)などはどうでもよかったのだ。
友人は小倉高校(福岡)の出身で、やにわに分厚いノートを借り出してきた。「おっ、あいつも来てるっちゃ!」などと奇声を上げながら、焼酎のお湯割をチビチビ。
筆者も島高&口加分の2冊を借り受け、目を通してみたら、知っている方が何人か、それぞれの思いを書き連ねておられる。それにしても、小倉と比べると随分と薄い…。
「お前、知っとーや、NHKの福地会長は小倉ばい。特段、その友人(一橋出)はふだんから学歴を自慢するタイプではないので、すんなりと聞いて、次のように答えた。
「そらっ知らんやった。ばってんか、福地さんは長大経済ばい。小倉OBには、白川日銀総裁もおらすとん。こん不景気ば、早よどかんかしてくれらっさんやろかい!?」 - 。
そうこうしているうちに、同店の女将さんが現れた。これはチャンス!と思った筆者は、さっそく名刺交歓に臨んだ。よく見ると、年増ではあるが、なかなかの美形!聞けば、ご主人が久留米(福岡)の生まれで、ご本人は岩国(山口)出身だという。
ほろ酔い加減で切り上げて店を出ようとしていたら、フジテレビの取材クルーと鉢合わせた。「あらっ、こちらの方もテレビのお仕事ですのよ!」と紹介してもらったが、若干恥ずかしかった。
しかし、同時に、一つの「アイデア」が閃いた。これは大きなビジネスチャンスである!
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