恐るべき中国パワー!!…日本人もたどった道だが…
‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐
今年に入って早くも4回目の土曜日を迎えた。先日、手帳をめくって「祝祭日」をマーカーで塗りつぶしながら改めて気付いたことだが、ナント「休みの日」の多いことか…。
最近は官公庁に限らずほとんどの企業でも「週休二日制」が定着しており、これに「有給休暇」等が加われば、働く日数は本当に限られてくる。
一昔前、欧米諸国などから「日本人は働き過ぎ!」との批判を受け、「ニッポンを休もう!」などという、何とも奇怪なキャンペーンが流行っていたことを思い出す。
ただ、そうこうしているうちに、経済力を付けた中国がメキメキと頭角を現し、今やGNP部門で後塵を拝する展開となっているのは、周知の事実だ。
確かに「ゆとり」を持った生活を送ることは、人間にとって大切なこと。そのこと自体を否定するつもりはないが、働かないで豊かになることなど、到底あり得ない話だ。
ところが、どうも最近の日本人の思考は「余暇」の方向ばかりに目がいって、肝心要の「仕事」には向いていないのでは、と思ってしまうほど。この傾向は若者ほど多く見られるようで、まず何より先に「休日は?」と質問する輩もいる。
このところ海外旅行に出かける機会もめっきり減ってしまったが、ヨーロッパでは当時、夏場に長期の「バカンス休暇」を取ることは、極めて普通の生活習慣であった。
結果、パリの街角などを団体で歩く「日本人ツアー客」を取り巻いているのは、「売らんかな!」の商魂をひた隠しにしたユダヤ資本の土産物屋とジプシー一家ばかり、という何とも珍妙な光景が繰り広げられていたものだ。
そのヨーロッパでも、今や日本人以上に買い物をしているのは中国人だそうな。まさに恐るべし「チャイナ・パワー」である。
中国の人口約13億人。沿海部と内陸部の経済格差の問題はあるにせよ、そのうちの1割がそこそこ裕福な生活を送れるようになっているとすれば、単純に計算すると、日本の全国民が「金持ち」になったようなもの。
その証拠となるかどうか知らないが、今や東京のB級ホテルは中国人だらけである。連中はかつての日本人がそうであったように、徒党を組んで歩く。
いつだったか新宿の裏通りで見かけた「雨中の行進」の可笑しさを忘れることができない。20人くらいの団体客がカサ代わりに、シャワーキャップをかぶって歩いていたのだ。
日本人が「イエローモンキー」と揶揄された時代もあったが、それは裏を返せば「恐るべき経済発展力」への恨み節でもあったはずだ。
すっかり「赤丸」(休日)だらけになった予定表を見ながら、日本という国の「来し方」「行く末」を想う。
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